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キョン「また使徒か」 part9



580 名前: ◆UqSHFgvvQ2 [] 投稿日:2009/10/23(金) 14:03:05.36 ID:ot/MpSuSi

ミサト「で?詳細は?」

カシャッ

マヤ「これが映像ですが……完全に、消滅……としか言えませんね……」

ミサト「で?それでうちんとこに仮設五号機よこそうっての?」

日向「らしいですね」

ミサト「ほんっとわけわかんないわ。おまえらだけずるいってアメリカが勝手に作ったやつでしょ?」

マヤ「そうですね…」


ミサト「で、搬入は?」

青葉「既にこちらへ向かっています。試験は2日後」

ミサト「随分急くのねぇ…パイロットだっていないじゃない」

マヤ「数時間後に、マルドゥック機関から資料が届きます」

ミサト「…どうしてそんな……ありえないわ」

マヤ「文句言えませんよ」

青葉「上は勝手だからなぁ」

ミサト「……」


ゴウンゴウンゴウン…

「こちら、4400。前方に、巨大な積乱雲確認」

「問題ない。進め」

「了解」

ゴウンゴウンゴウン…

そのころ
学校


キョン「あー…つかれたなぁ…」

シンジ「いろいろとね……」

シンジ「でもぼくは…よかったかな」

キョン「あ?なんでだ」

シンジ「……へへっ。内緒」

キョン「そうかい」



ネルフ本部
ミサト、仕事部屋

ミサト「なん……なのこれ」

ぺらっ

ミサト「……ありえない……」

ミサト「どうしてこのこなの…?」


キョン「あー…かたがいてーよ」

シンジ「そりゃ座りっぱなしだったしね」

古泉「いやいや、しかし素晴らしかったですね。長門さん」ニヤニヤ

長門「今回は彼をからかわない」

長門「本気で生きててよかったと思っているから。貴方は不謹慎」

古泉「!?長門さん!?」

キョン「おやおや、かっこわるいですねぇ?」ニヤニヤ

長門「ダサい」ニヤニヤ

古泉「なんですと!?」


おじいちゃん先生「おい、佐々木はいるかぇ」

佐々木「はい?」

おじいちゃん先生「ちょっとこちらへ来なさい」

佐々木「あ、はい」

キョン「なにかあったんですか?」

おじいちゃん先生「お前は気にせず勉強せい」

キョン「はぁ…」

おじいちゃん先生「ほれ、きなさい」

佐々木「は、はい」

キョン「今日の腕章は大老成就だったな」

シンジ「長生きしたいんだよきっと」


佐々木(?職員室?)

ガララッ

リツコ「こんにちわ。佐々木さん」

佐々木「はっ!?あ、リツコさん!?」

リツコ「ふふっ。覚えていてくれたのね」

佐々木「そりゃもう!」

リツコ「それはよかったわ」

リツコ「で、今回はお話があるのよ」

佐々木「え?」

リツコ「あなたに、エヴァンゲリオン仮設五号機の、パイロットをやって欲しいの」

佐々木「……え」





キョン「お、おかえり佐々木」

佐々木「う、うん」

キョン「なんの話だったんだ?」

佐々木「えっ……あー。あれだ。成績のことで少しね。最近緩んどるって怒られてしまったよ」

キョン「俺からみたら随分頭いいけどな。お前は」

キョン「ところで佐々木」

キョン「俺の横で腰を人の顔に当てて顔赤らめてるバカを止めちゃあくれないか」

カヲル「ああっ!キョンくん!」

キョン「やめい!!!」


キョン「……佐々木?」

佐々木「ふぇっ!?」

キョン「どうした」

佐々木「…いや、なんでもないよ」

キョン「そうか」

カヲル「あああっ!エクスタシーを感じそうだよ!キョンくん!」

キョン「ああっ!うっとい!馬糞になれ!」



ネルフ本部

ミサト「それで?どうだったの?」

リツコ「少し悩んでいたけど、快くOKしてくれたわ」

ミサト「ほんとに?なんかしたんじゃないでしょうね」


リツコ「べつに?ただ、貴方なら彼の力になれるわよ。と言ったけど」

ミサト「…あんた、最低よ」

リツコ「親友にそこまでいうかしら。普通」

ミサト「いうわよ!みんなの友達なのよ!?さらに巻き込むつもり!?」

リツコ「大丈夫よ。ゆっくり慣らせば。起動実験だけなんだし。最初は。ダメなら別の子をマルドゥックが探すわよ」

ミサト「……子供達ばかり……どうして……」

リツコ「……」


学校
放課後

佐々木「……キョン」

キョン「ん?」

佐々木「ちょっと、付き合ってくれるかい?」

キョン「ああ、構わんが、どこにだ?」

佐々木「……家……でいい」

キョン「!?」

佐々木「だめかい?」

キョン「い、いや、そんなわけじゃない!そんなつもりじゃあない!いや、その、なんだ!うん。一向に構わん!!」

佐々木「そ、そうか」


帰り道

佐々木「……ねぇ、キョン」

キョン(しかし、若い男女が家でなにをするんだろうか)

佐々木「エヴァンゲリオンのなかって、どんな感じ?」

キョン(いやあやいやいや!それはなかろう!佐々木にかぎって!)

佐々木「……そんな険しい顔をして……言いたくないのか。そんなに辛いのかい?」

キョン(いや、しかし、それはそれで俺は構わんのだが…ってうわああ!なにを考えとるんだ!?)

佐々木「……キョン?」

キョン「ふぉうっ!?なんでもないぞ!?」

佐々木「聞いてた?」

キョン「へ?」

佐々木「……はぁ」


佐々木「エヴァの中って、どんなん?」

キョン「ん?あーそうだなてなんか、落ち着くとこだな」

佐々木「落ち着く?」

キョン「そうだ。なんというか、その。うむ。お袋に抱っこされていたときを思い出すような…」

佐々木「……マザコンなのか?」

キョン「!?断じて違う!」

佐々木「あ、ついたよ。さ。入って」

キョン「あ、おう。邪魔する」


佐々木「なに食べたい?」

キョン「え……そうだな……カレーとか」

佐々木「う……いきなりだな。ルーあるかなぁ」

キョン「あ、無理そうなら別に…」

佐々木「あ、あるから平気だよ。作れる」

キョン「そうか…」

キョン「そういや、お袋さん、居ないのか?」

佐々木「居ないみたいだね。こっちの世界では」

キョン「ほう」

佐々木「やっぱり…コアなのかな…」ぼそっ

キョン「あ?」

佐々木「いやっ!?なんでもない!」

キョン「そうか」


佐々木「…どう?」

キョン「ん、美味いよこれ」

佐々木「そっか」

キョン「で?カレーの感想聞きたくて俺を読んだ訳じゃなかろう。なんか訳有りのようだしな。どうしたんだ?」

佐々木「……」

キョン「?」

佐々木「怒らないかい?」

キョン「あ?ああ」

佐々木「……エヴァンゲリオン……仮設五号機の……パイロットになれって…リツコさんに言われた」

キョン「!?」


キョン(どういうことだ?なんで、佐々木が?)

キョン(この状況で途中追加って……まさか……!)

キョン「断ったか!?」

佐々木「……」

キョン「おい!」

佐々木「僕は……キョンの力になりたいんだ」

キョン「はぁっ!?」

佐々木「だから!パイロットになることを決めた!」

キョン「…っ!お前、どうなるかわからんわけじゃなかろう!」

佐々木「でも!僕は、チャンスがあるなら、キョンの力になりたいんだよ!」

キョン「くっ…!阿呆!死ぬかもしれないんだぞ!」

佐々木「……!」びくっ


佐々木「そんなの…わかってる」

キョン「なら!」

佐々木「でも、アニメでは…死なない」

キョン「!?」

佐々木「キョンもいる」

キョン「はぁ?」

佐々木「君なら、助けてくれる」

キョン「……」

佐々木「ほんとは…怖いよ。すごくね」

佐々木「でも……」


佐々木「君の力になれるかもしれないなら……」

佐々木「僕はこの目の前に垂らされた糸にしがみつく」

佐々木「もし糸が切れても」

佐々木「君なら、助けてくれるだろう?」

キョン「……」

佐々木「……ごめんね」

キョン「引っ張りあげてやるさ」

佐々木「え?」

キョン「お前が、落ちたら。引っ張りあげてやる。手が届かなくても、奈落にお前が落ちても。俺が掬い上げる」

キョン「お前の力があるなら、俺は助かるしな」

佐々木「……キョン」

キョン「任せとけ」

佐々木「……くっくっくっ…!任せたよ、キョン」ぐすっ

キョン「おう」


その後、俺は佐々木の家を出た。
任せろ。佐々木。
お前は、俺が助けてやる。



2日後

ミサト「あとのこと、よろしくね。シンちゃん」

シンジ「……」ぽろっ

ミサト「…なんでパン落とすのよ」

シンジ「ミサトさんが…まともに制服着てるから……」

ミサト「あはは!そうね、珍しいもんね」

シンジ「そうですよ。出張ですか?」

ミサト「ええ、ちょっち、松代にね」

シンジ「ふぅん?行ってらっしゃい。ミサトさん」

ミサト「いってくるわ」


松代
実験基地

佐々木(初めての…起動実験)きゅっ

佐々木(なにも、起きなければいいけど)ぎゅっぎゅっ

佐々木(迷惑、かけたくないし)ぎゅっぎゅっ

佐々木(なんとか、なるといいな)ぎゅっ

佐々木「…行くか」プシュー


ミサト「準備はいいかしら。佐々木さん」

佐々木「はい」

ミサト「じゃ、始めるわよ」

「起動実験、開始!」


「第一アポトーシス。異常なし」

「第二、異常なし」

ミサト「うまく行くといいんだけど…」

「主電源、問題無し」

「各部、冷却システム。順調に進行」

「左腕圧着ロック、固定終了」

「了解。Bチームに移ります」

「エヴァ初号機とのリンク、問題ありません」

リツコ「これなら、即実戦も可能ね」

ミサト「そう、よかったわねぇ」

リツコ「きのない返事ね…あなたの直属部隊に配属されるのよ?」

ミサト「エヴァを6機も独占…ね。その気になれば、世界を滅ぼせるわね」



「エントリープラグ、固定完了。第一次、接続開始」

「パルス送信。グラフ、正常値。リスト、イチサンゴーマルまでクリア。初期コンタクト、問題ありません」

リツコ「了解、作業をフェイズ2へ移行」

ミサト「大丈夫なんでしょうね」

リツコ「……」

「オールナーブリンク。問題無し。リスト、ニーゴーゴーマルまでクリア。ハーモニクス、全て正常位置」

「絶対境界線、突破します」



佐々木「…うっ!?」

ビーッビーッビーッビーッビーッ!

バキッバキッバキバキッ!

ビキンッ!

ヴォオオオオオォォォオオオオオオッッ!

リツコ「!?実験中止!回路切断!」

「ダメです!信号拒絶!エヴァ内部に、高エネルギー反応!」

リツコ「まさか……使徒……!?」



青葉「松代にて、爆発事故が発生!」

日向「被害不明!」

冬月「救助、及び第三部隊を直ちに派遣しろ。戦自介入の前に処理しろ」

日向「了解!」



青葉「事故現場に未確認移動物体を発見」

日向「パターンオレンジ、使徒とは確認できません」

ゲンドウ「第一種、戦闘配置」

青葉「総員、第一種戦闘配置!」

日向「地、対地戦用意!」

マヤ「エヴァ全機、発進!迎撃地点へ緊急配置!」


シンジ「松代で事故?そんな、じゃ、ミサトさん達は…」

レイ「まだ、連絡取れないわね」

シンジ「そんな…どうしたら…」

ハルヒ「ぐじぐじしててもしょうがないわよ。やるしかないんだから」

シンジ「でも、僕達だけで使徒に…?」

長門「現在は碇司令が直接指揮をとっている」

キョン(……佐々木…!)


青葉「野辺山で、映像を捉えました。モニター、出ます!」

冬月「やはり……これか」

ゲンドウ「活動停止信号発信。及び、エントリープラグの強制排出」

バフォッ……ぎしっ……

マヤ「ダメです。信号拒絶。プラグ排出信号受け付けません」

ゲンドウ「パイロットは?」

日向「心拍、呼吸の反応はありますが…おそらく…」

ゲンドウ「現時刻を以って、エヴァンゲリオン仮設五号機を破棄。目標を、使徒と識別する」

マヤ「……了解……」


ゲンドウ「目標を予定通り、野辺山で戦線を開き、殲滅しろ」

日向「了解……」



青葉「エヴァ全機、配置完了」

青葉「大丈夫かい?みんな」

シンジ「なんとか」

アスカ「上々よ!」

ハルヒ「ええ」

レイ「問題ありません」

キョン「……はい」

青葉「では、モニター、回します」


日向「全機、戦闘よォい!」

カシャッ

シンジ「使徒!?これが、使徒!?」

キョン「……そうだ」

シンジ「で、でも、中には僕達と同じくらいの子供が乗ってるんだろ!?」

アスカ「あんた…まだしらな…きゃっ!?」ザザザーッ

シンジ「あ、アスカ!?アスカ!!」

キョン「ぼさっとすんな!ハルヒ!」

ハルヒ「え?あ、ちょっ!きゃああっ!!」ザザーーーッ

キョン「ハルヒ!」


キョン「綾波ぃっ!」

レイ「大丈夫、目標を視認したわ」

レイの目には、どすん、どすんとゆっくり肩を動かしながら移動する、仮設五号機が視えた。

レイ(あの中には……たしか……佐々木さんが……)

すっと、五号機の動きが止まる。
ぐるりと零号機の方を向き、バカッと大きく口を開けて大きく跳ねた。

レイ「あっ、きゃあああああっ!!」

シンジ「綾波っ!おいっ!綾波!」

キョン「くっ……気張れよシンジ。男だけだ。かっこわりーことすんじゃねーぞ…!」

シンジ「かっこ悪いもなにも!戦うきかよ!」

キョン「っ!」


キョン「戦わなきゃ……守れねぇだろうが!」

シンジ「!!」

キョン「戦わなきゃ…掬い出せねぇだろうが!意地でも、戦って!戦って!勝つしかねぇだろう!」

シンジ「……でも!!」

キョン「ああっ!!うじうじしてんじゃねぇ!だからてめーはいつまでもそんなだせぇんだ!お前が戦わないなら、俺がやるだけだ!」

シンジ「キョン!」

キョン「うるせぇ!!お前は指でもしゃぶって黙ってそこで見てやがれ!!」

絶対に…負けられねぇんだよ…!
佐々木…
絶対に助けてやるからな…!


ずんずんと四号機を走らせる。
早く着け。
間に合わなくならないうちに。

ずん。
山と山とで視界が遮られていたのが、ぱっと開ける。
そこに、五号機は居た。

キョン「佐々木…!」

そこにいた緑の機体は、ずしん、と一度歩いたあと、ぴたりと止まった。

キョン「こっち向けよ。使徒」

ぐるりと、使徒がこちらを向く。
そうだ。

キョン「お前は潰して、佐々木を取り戻す」

ずんずんと思い切り走らせ、一気に近づく。
しかし、強固なATフィールドが、俺を遮った。

キョン「ぐおっ!!」


キョン「負けて……らんねぇんだよ……」

キョン「使徒なんかになぁあああああっ!」

バチんとこちらもATフィールドを展開する。

マヤ「す、すごい、暴走した初号機よりも強いですよ、このATフィールド!」

青葉「よ、四号機!使徒のATフィールドを浸食!」

ぐぐぐっと浸食し、左手の先をずぶっと突っ込む。

キョン「心の壁だろ……!ATフィールドは……」

ゆっくりと、指先が入っていき、指先から、根元まで入る。

キョン「負ける気がしねぇのよおおおっ!!」

左手で思い切りATフィールドを切り裂く。
使徒はびくんと2.3歩後退り、こちらを見据えた。

キョン「もう……ATフィールドはねぇぞ…!ガチンコといこうぜ!使徒!」



俺の優勢かと思われた。
というより、圧倒的に、優勢。
だが、使徒は笑った気がした。

刹那、目の前から使徒が消える。

キョン「!?どこだ!!」

探しても、見当たらない。


その後すぐに、どすんと振動と、落ちた衝撃音が、後ろで鳴った。
気付いたときには既に遅く、俺はがっと、首を掴まれた。

キョン「ああっ…ぐうぅっ…」

首に感覚が走る。
ぎりぎりと締め付けられる感触。
後ろに手を伸ばして離そうとするが、できない。
強い……!


冬月「神経接続を、30%にカット!急げ!」

ゲンドウ「よせ」

冬月「!?何故だ!彼が死ぬぞ!」

ゲンドウ「……」

冬月「碇!」

ゲンドウ「エヴァは…一機ではない」

冬月「!?」

ゲンドウ「まだ、シンジがいる」



シンジ「うおおおおおおおおおおおおっ!」

どすんどすんと振動。
そして、シンジの雄叫びが聞こえた。
馬鹿野郎、遅えんだよ。

バヅンと嫌な音が響くと、使徒の力はすっと緩み、俺は抜けられた。
シンジが、プログナイフを使徒の腕に突き刺したからだった。

キョン「……遅いんだよ。ヒーロー」

シンジ「へへっ。ごめんね」

キョン「……反撃開始だ!」


使徒は、自分の腕に刺さったプログナイフを右手で引き抜くと、自分の目の前にプログナイフを掴んだまま右手を突き出し、左手をその手の後ろに添えて構えた。

プログナイフを使うつもりか?

長門「使徒に知恵がついている可能性がある。気をつけて」

なるほどねぇ…

キョン「どう思う。シンジ」

シンジ「どうだろう。でも」

シンジ「キョンが居るから、負ける気はしない」

キョン「ありがたいねぇ。んじゃあ、行くか!」


二人で一斉に駆け出した。
使徒はプログナイフの電源をつけ直し、ふいい、と振動させながら構えていた。

キョン「いくぞおらぁっ!」

こちらもプログナイフを肩から引き出す。
電源をいれ、同じように振動させる。

シンジ「くらえっ!」

初号機が右足を大きく振りかぶり、きゅんと素早く体をひねり、蹴る。
しかし、使徒は思い切り体勢を落とし、地面にべたっと張り付く。
俺が倒れこむようにプログナイフを刺し込もうとすると、四号機の顎に思い切り掠めながら使徒は飛び上がった。

キョン「いってぇっ…!」

シンジ「くるよ!」


きゅんと落ちてくる音がしたと思った途端、頭頂部に激痛が走る。
落ちてくる衝撃をプラスした踵落としをまともに食らってしまった。

シンジ「キョン!」

キョン「ってぇ…!」

頭を大きく下げてしまっていた機体を持ち上げようとする必要もなく、俺は使徒に頭をがっと掴まれて膝で蹴り上げられた。

そのまま後ろに倒れこみ、田んぼの水が溢れ、そこかしこが水浸しになった。

シンジ「なにやってんだよっ!」

キョン「ああっ!くそったれっ!」


キョン「くっそ!」ガシャッ

キョン「うおわっ!?」

田んぼの泥濘のせいで、腕をついて立ち上がろうとしたとき、ずるっと滑って倒れこんだ。

シンジ「ああっ!ダサいのはそっちじゃ--」

キョン「おい、シンジ!」

ぐるんと使徒が初号機の方を向き、ばっと走り出す。
すぐに右腕で初号機の首が掴まれ、ぐぐぐと持ち上げられて行く。

キョン「シンジ!」

シンジ「あっ…ぐぅあ……」


持ち上げられた初号機の右足に、使徒がプログナイフを突き立てる。

ブズッ!
ギャギギギイイイイイイイイイイイイイ!

シンジ「ふぁっ!うあああああああっ!」

振動で刻まれて行く音、使徒はプログナイフを切れてゆくままにゆっくりと左へ引いてゆく
同時に、ぶちぶちと靭帯がちぎれて行く音がする。

シンジ「がっ…ああああ!」

キョン「シンジぃっ!」


俺がなんとか起き上がり、使徒の方へ走ると、使徒もそれに気付いたようで、ぱっと初号機を離した。

キョン「こんっのやろうが!」

全速力で近付き、目の前できゅっと止まってから、右足で思い切り顎を蹴り上げる。
くらっと使徒が怯んだので、そのまま両手をぐっと組んで殴りつける。

しかし、使徒は、下げた頭そのままに、腕を上に伸ばし、四号機の首を両手で締め上げた。

キョン「あっ…ぐっ…くっそ…!おい!シン……ジ!」

シンジ「だ、ダメなんだよ!右足の靭帯が切れてる!立ち上がれないんだよ!」

…!
そこまで考えてやがんのか…!?

キョン「ああ"あっ……!あっぐう…!」

ぎりぎりと締め付ける力が強くなる。
このままじゃ……


ゲンドウ「……」

冬月「今度こそいいな!?神経接続を---」

ゲンドウ「待て」

冬月「なっ!?」

ゲンドウ「伊吹二尉」

マヤ「は、はい!」

ゲンドウ「……ダミーシステムを」

マヤ「えっ!?本気ですか!?」

ゲンドウ「彼らがエヴァの力を発揮しきれていないのなら」

ゲンドウ「これしか、人類の勝つ方法は、ない」




キョン「お……ま、…まてよ…」

ゲンドウ「誰に口を聞いて居る」

キョン「…ダミー…なんか、いらない……」

ゲンドウ「現に今、負けている」

キョン「負け……ないから……」

ゲンドウ「……四号機が使えるんだな」

マヤ「は、はい。断裂部もなく……稼働…可能です」

ゲンドウ「四号機のダミーシステムを今すぐ起動しろ」

キョン「お…おいぃっ…!」

マヤ「で、でも!」

ゲンドウ「早くしろ!」

マヤ「びくっ……は、はい……」

キョン「ああっ……やめ……ろよ……おいぃっ!……」


マヤ「異常……なし…」

長門「……私に任せて欲しい」

マヤ「え?」

長門「司令。ダミーシステムの起動を私に一任して欲しい」

ゲンドウ「…構わん」

長門「……では」カタカタカタカタカタカタ

キョン「な、にしてやがる……長門っ…手やめ…させろよ…」

長門「……ダミーシステム、異常なし。起動」

キョン「長っ……と……くっはぁっ!?はぁっはぁっ」

がくんと首にかかっていた圧力が消え、ダミーシステム、と書いてある部分のディスクがふいいぃと音を上げながら回転する。

キョン「おい!!長門!!いますぐとめろ!!おい!!」

長門「私は、貴方の命の方が、大事」

キョン「バカやろう!佐々木が!佐々木がぁぁぁっ!!」


キョン「おいっ!おいっ!長門!止めやがれ!くっそ!くっそ!おい!」

長門「……」

キョン「ちくしょうっ…ちくしょおっ…」

無慈悲にもディスクは回転を続け、四号機ががくんと跳ねて、

ヴォォォォォオォォアアアアアッ!

初号機とは、違う低い雄叫びを上げながら、ぐぐっと使徒の腕をつかんだ。

掴んでから数秒。
バキッと骨の折れる音が聞こえ、更には、筋肉が、肉が潰れて弾けとんだ。

キョン「佐々木っ……佐々木いぃっ!」ガシャッガシャッガシャッ

動かそうとしても、操縦桿の音がむなしく響くだけだった。


使徒は数歩後退り、腕をだらんと垂らしながらこちらを睨みつけていた。

それに対して、四号機は全速力で走り出した。

ヴォォォォォオォォァアアアアアッ!!

雄叫びを叫びながら走る四号機は、思い切り肩から使徒にぶつかり、使徒を吹き飛ばした。
後ろにふっとんだ使徒は仰向けに倒れ、そのままぎしぎしと動いていた。

ヴルルルルルル

まるで獣のような声。
そのままずしん、ずしんとゆっくり近寄り、使徒からマウントポジションをとった。


カアウッ!

バキッ

そのまま四号機は両手を組み、使徒の胸を思い切り叩き始めた。
一発目で装甲が剥がれ、エントリープラグが露呈した。

キョン「やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!」ガシャッガシャッガシャッガシャッ!

コオウッ!ガウッ!カアウッ!ガアッ!

訳のわからない奇声を上げながら、四号機はただ殴り続ける。

パシッ

ビキッ

ゆっくりと、エントリープラグに亀裂が入っていく。

キョン「やめ……やめて……くれっ……」



殴られるたびに、びくん、びくんと跳ね上がる使徒。
しばらくすると、跳ね上がることも無くなり、ぐったりと口を開いたまま倒れていた。

四号機は、その頭目掛けて、思い切り

カアアアアアアアアアアウッッ!!

くぢゅっ

正拳を思い切り落とした。


キョン「ひっ……うわああああああああああああっ!!!やめろ!!やめろ!!とめろ!!長門!止めやがれ!!止めないと!!とめろよ!!頼むから!!おい!!あ、あああああ!!」

そういう間にも、既に崩れている頭に、がすん、がすんと拳を打ち込む四号機。
その度に、ずちゅ、ぐちゅ、と嫌な音が響いた。

マヤ「うっ……げえぇえっ……」ぼたばたっ

マヤ「おねがい…止めてあげて…有希ちゃん……」

長門「……」

ただ、長門は無表情で座っていた。
小泉ですら、目を見開いて青いツラをしているのに。


すると、四号機は飽きたのか、立ち上がって使徒を蹴った。
その結果、使徒はごろんとうつ伏せになった。

四号機はうつ伏せの使徒の首の部分をぐっと抑え、エントリープラグを固定する板をばこんと外した。

キョン「お、おい!!やめろ!」

キョン「おい!おい!!!おい!やめて、やめてくれ!頼むから!!おいっ!!」

「いいから」

キョン「はぁ!?」

長門「私を、信じて」

キョン「!?」


四号機が、エントリープラグを取り出した途端、がくんっと四号機はそのまま膝をついて、エントリープラグを地面に置いた。

キョン「!?」

長門「あなたが、助けるんでしょう?」

キョン「……!!長門!!」

長門「四号機、プラグ排出信号発信。四号機、受信」

長門「さぁ、いってあげて」

キョン「!!恩に着る!」

俺は四号機の背面の梯子を降り、五号機のエントリープラグへ向かった。

キョン「佐々木!!」


がっと緊急用のハンドルを掴む。
ゆっくりと、思い切り力を入れて回す。
佐々木…生きててくれ……!

がこんとエントリープラグが開くと、
佐々木は、左手に裂傷がある程度で、ケガを全然していなかった。

どうして…

長門「腕の傷はどうにもできなかった。しかし、ダミー発動時に、神経接続をきった。感謝して」

キョン「ああ……ありがたい!」

佐々木「う……」

キョン「佐々木!!」

佐々木「……迷惑……かけたね」

キョン「んなこと……うわぁあああ…」

そのあとは、俺はただ泣きじゃくった。


その後、ネルフの人たちは、零号機や、弐、参号機の回収に手間取っていた。

ネルフ本部
女子更衣室

ハルヒ「……」むすっ

アスカ「あのバカシンジに……手柄取られるなんて……」

ハルヒ「……バカキョン……」むすっ


キョン「生きててよかった…佐々木…」

佐々木「ああ…ありがとう。五号機は頭を挿げ替えれば使えるらしいし、キョン君の力になれるよ」

キョン「ああ…よかった…!」



なんか女子更衣室にキョンがいるみたいになっちゃったなごめん

キョン「体はなんともないのか?」

佐々木「ん、とくに」

キョン「そうか、よかった」

佐々木(気持ち悪いとかいったら心配するもんな……)

佐々木(う……)



とある施設

「君たちは最低だね」

「最低とは。我々になんという口の聞き方か」

「ほんと、最低だよ」

「われわれにできうることを、シナリオ遂行のために、犠牲は仕方がない」

「……軽蔑するね」

「好きにしろ。タブリス」



帰り道

長門たちと分かれた俺は、佐々木と帰っていた。

キョン「しかし、生きててよかった…」

佐々木「うん。感謝してるよ。キョン」

キョン「いやいや、何よりだ。本当に」

佐々木「うん」

キョン「だいじょぶか?顔、青いけど」

佐々木「え…そうかな?」

キョン「おう」

佐々木「そうか。まぁ気のせいだろうよ」

キョン「そうかい」


佐々木「それか、わかんないけど、使徒に憑かれてたから疲れてるんだろう」

キョン「そうか。なんでもないならいいんだ」

佐々木「ああ」

キョン「……」

佐々木「……」

キョン「佐々木」

佐々木「ん?…ん!?」

ちゅ

キョン「お返しだ。いままでのな」

佐々木「ふ、ふぇっ!?/////」

キョン「じゃあなっ!」

佐々木「キョンから……」

佐々木「くっく…気持ち悪いのなんか飛んでっちゃったな…」



「…やっぱり。なのか」

「ああ」

「気が進まないんだけどな」

「お前の意見は関係ない」

「……結局……こうなるのか」

「頼んだぞ」

「はぁ……わかってるよ」

ボウン…

「……やれやれ」


part10に続く
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