インプラントの意味と費用について。第三の歯としてのインプラントに関する情報を掲載しています。

スポンサーサイト



上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

キョン「また使徒か」 part9



580 名前: ◆UqSHFgvvQ2 [] 投稿日:2009/10/23(金) 14:03:05.36 ID:ot/MpSuSi

ミサト「で?詳細は?」

カシャッ

マヤ「これが映像ですが……完全に、消滅……としか言えませんね……」

ミサト「で?それでうちんとこに仮設五号機よこそうっての?」

日向「らしいですね」

ミサト「ほんっとわけわかんないわ。おまえらだけずるいってアメリカが勝手に作ったやつでしょ?」

マヤ「そうですね…」


ミサト「で、搬入は?」

青葉「既にこちらへ向かっています。試験は2日後」

ミサト「随分急くのねぇ…パイロットだっていないじゃない」

マヤ「数時間後に、マルドゥック機関から資料が届きます」

ミサト「…どうしてそんな……ありえないわ」

マヤ「文句言えませんよ」

青葉「上は勝手だからなぁ」

ミサト「……」


ゴウンゴウンゴウン…

「こちら、4400。前方に、巨大な積乱雲確認」

「問題ない。進め」

「了解」

ゴウンゴウンゴウン…

そのころ
学校


キョン「あー…つかれたなぁ…」

シンジ「いろいろとね……」

シンジ「でもぼくは…よかったかな」

キョン「あ?なんでだ」

シンジ「……へへっ。内緒」

キョン「そうかい」



ネルフ本部
ミサト、仕事部屋

ミサト「なん……なのこれ」

ぺらっ

ミサト「……ありえない……」

ミサト「どうしてこのこなの…?」


キョン「あー…かたがいてーよ」

シンジ「そりゃ座りっぱなしだったしね」

古泉「いやいや、しかし素晴らしかったですね。長門さん」ニヤニヤ

長門「今回は彼をからかわない」

長門「本気で生きててよかったと思っているから。貴方は不謹慎」

古泉「!?長門さん!?」

キョン「おやおや、かっこわるいですねぇ?」ニヤニヤ

長門「ダサい」ニヤニヤ

古泉「なんですと!?」


おじいちゃん先生「おい、佐々木はいるかぇ」

佐々木「はい?」

おじいちゃん先生「ちょっとこちらへ来なさい」

佐々木「あ、はい」

キョン「なにかあったんですか?」

おじいちゃん先生「お前は気にせず勉強せい」

キョン「はぁ…」

おじいちゃん先生「ほれ、きなさい」

佐々木「は、はい」

キョン「今日の腕章は大老成就だったな」

シンジ「長生きしたいんだよきっと」


佐々木(?職員室?)

ガララッ

リツコ「こんにちわ。佐々木さん」

佐々木「はっ!?あ、リツコさん!?」

リツコ「ふふっ。覚えていてくれたのね」

佐々木「そりゃもう!」

リツコ「それはよかったわ」

リツコ「で、今回はお話があるのよ」

佐々木「え?」

リツコ「あなたに、エヴァンゲリオン仮設五号機の、パイロットをやって欲しいの」

佐々木「……え」





キョン「お、おかえり佐々木」

佐々木「う、うん」

キョン「なんの話だったんだ?」

佐々木「えっ……あー。あれだ。成績のことで少しね。最近緩んどるって怒られてしまったよ」

キョン「俺からみたら随分頭いいけどな。お前は」

キョン「ところで佐々木」

キョン「俺の横で腰を人の顔に当てて顔赤らめてるバカを止めちゃあくれないか」

カヲル「ああっ!キョンくん!」

キョン「やめい!!!」


キョン「……佐々木?」

佐々木「ふぇっ!?」

キョン「どうした」

佐々木「…いや、なんでもないよ」

キョン「そうか」

カヲル「あああっ!エクスタシーを感じそうだよ!キョンくん!」

キョン「ああっ!うっとい!馬糞になれ!」



ネルフ本部

ミサト「それで?どうだったの?」

リツコ「少し悩んでいたけど、快くOKしてくれたわ」

ミサト「ほんとに?なんかしたんじゃないでしょうね」


リツコ「べつに?ただ、貴方なら彼の力になれるわよ。と言ったけど」

ミサト「…あんた、最低よ」

リツコ「親友にそこまでいうかしら。普通」

ミサト「いうわよ!みんなの友達なのよ!?さらに巻き込むつもり!?」

リツコ「大丈夫よ。ゆっくり慣らせば。起動実験だけなんだし。最初は。ダメなら別の子をマルドゥックが探すわよ」

ミサト「……子供達ばかり……どうして……」

リツコ「……」


学校
放課後

佐々木「……キョン」

キョン「ん?」

佐々木「ちょっと、付き合ってくれるかい?」

キョン「ああ、構わんが、どこにだ?」

佐々木「……家……でいい」

キョン「!?」

佐々木「だめかい?」

キョン「い、いや、そんなわけじゃない!そんなつもりじゃあない!いや、その、なんだ!うん。一向に構わん!!」

佐々木「そ、そうか」


帰り道

佐々木「……ねぇ、キョン」

キョン(しかし、若い男女が家でなにをするんだろうか)

佐々木「エヴァンゲリオンのなかって、どんな感じ?」

キョン(いやあやいやいや!それはなかろう!佐々木にかぎって!)

佐々木「……そんな険しい顔をして……言いたくないのか。そんなに辛いのかい?」

キョン(いや、しかし、それはそれで俺は構わんのだが…ってうわああ!なにを考えとるんだ!?)

佐々木「……キョン?」

キョン「ふぉうっ!?なんでもないぞ!?」

佐々木「聞いてた?」

キョン「へ?」

佐々木「……はぁ」


佐々木「エヴァの中って、どんなん?」

キョン「ん?あーそうだなてなんか、落ち着くとこだな」

佐々木「落ち着く?」

キョン「そうだ。なんというか、その。うむ。お袋に抱っこされていたときを思い出すような…」

佐々木「……マザコンなのか?」

キョン「!?断じて違う!」

佐々木「あ、ついたよ。さ。入って」

キョン「あ、おう。邪魔する」


佐々木「なに食べたい?」

キョン「え……そうだな……カレーとか」

佐々木「う……いきなりだな。ルーあるかなぁ」

キョン「あ、無理そうなら別に…」

佐々木「あ、あるから平気だよ。作れる」

キョン「そうか…」

キョン「そういや、お袋さん、居ないのか?」

佐々木「居ないみたいだね。こっちの世界では」

キョン「ほう」

佐々木「やっぱり…コアなのかな…」ぼそっ

キョン「あ?」

佐々木「いやっ!?なんでもない!」

キョン「そうか」


佐々木「…どう?」

キョン「ん、美味いよこれ」

佐々木「そっか」

キョン「で?カレーの感想聞きたくて俺を読んだ訳じゃなかろう。なんか訳有りのようだしな。どうしたんだ?」

佐々木「……」

キョン「?」

佐々木「怒らないかい?」

キョン「あ?ああ」

佐々木「……エヴァンゲリオン……仮設五号機の……パイロットになれって…リツコさんに言われた」

キョン「!?」


キョン(どういうことだ?なんで、佐々木が?)

キョン(この状況で途中追加って……まさか……!)

キョン「断ったか!?」

佐々木「……」

キョン「おい!」

佐々木「僕は……キョンの力になりたいんだ」

キョン「はぁっ!?」

佐々木「だから!パイロットになることを決めた!」

キョン「…っ!お前、どうなるかわからんわけじゃなかろう!」

佐々木「でも!僕は、チャンスがあるなら、キョンの力になりたいんだよ!」

キョン「くっ…!阿呆!死ぬかもしれないんだぞ!」

佐々木「……!」びくっ


佐々木「そんなの…わかってる」

キョン「なら!」

佐々木「でも、アニメでは…死なない」

キョン「!?」

佐々木「キョンもいる」

キョン「はぁ?」

佐々木「君なら、助けてくれる」

キョン「……」

佐々木「ほんとは…怖いよ。すごくね」

佐々木「でも……」


佐々木「君の力になれるかもしれないなら……」

佐々木「僕はこの目の前に垂らされた糸にしがみつく」

佐々木「もし糸が切れても」

佐々木「君なら、助けてくれるだろう?」

キョン「……」

佐々木「……ごめんね」

キョン「引っ張りあげてやるさ」

佐々木「え?」

キョン「お前が、落ちたら。引っ張りあげてやる。手が届かなくても、奈落にお前が落ちても。俺が掬い上げる」

キョン「お前の力があるなら、俺は助かるしな」

佐々木「……キョン」

キョン「任せとけ」

佐々木「……くっくっくっ…!任せたよ、キョン」ぐすっ

キョン「おう」


その後、俺は佐々木の家を出た。
任せろ。佐々木。
お前は、俺が助けてやる。



2日後

ミサト「あとのこと、よろしくね。シンちゃん」

シンジ「……」ぽろっ

ミサト「…なんでパン落とすのよ」

シンジ「ミサトさんが…まともに制服着てるから……」

ミサト「あはは!そうね、珍しいもんね」

シンジ「そうですよ。出張ですか?」

ミサト「ええ、ちょっち、松代にね」

シンジ「ふぅん?行ってらっしゃい。ミサトさん」

ミサト「いってくるわ」


松代
実験基地

佐々木(初めての…起動実験)きゅっ

佐々木(なにも、起きなければいいけど)ぎゅっぎゅっ

佐々木(迷惑、かけたくないし)ぎゅっぎゅっ

佐々木(なんとか、なるといいな)ぎゅっ

佐々木「…行くか」プシュー


ミサト「準備はいいかしら。佐々木さん」

佐々木「はい」

ミサト「じゃ、始めるわよ」

「起動実験、開始!」


「第一アポトーシス。異常なし」

「第二、異常なし」

ミサト「うまく行くといいんだけど…」

「主電源、問題無し」

「各部、冷却システム。順調に進行」

「左腕圧着ロック、固定終了」

「了解。Bチームに移ります」

「エヴァ初号機とのリンク、問題ありません」

リツコ「これなら、即実戦も可能ね」

ミサト「そう、よかったわねぇ」

リツコ「きのない返事ね…あなたの直属部隊に配属されるのよ?」

ミサト「エヴァを6機も独占…ね。その気になれば、世界を滅ぼせるわね」



「エントリープラグ、固定完了。第一次、接続開始」

「パルス送信。グラフ、正常値。リスト、イチサンゴーマルまでクリア。初期コンタクト、問題ありません」

リツコ「了解、作業をフェイズ2へ移行」

ミサト「大丈夫なんでしょうね」

リツコ「……」

「オールナーブリンク。問題無し。リスト、ニーゴーゴーマルまでクリア。ハーモニクス、全て正常位置」

「絶対境界線、突破します」



佐々木「…うっ!?」

ビーッビーッビーッビーッビーッ!

バキッバキッバキバキッ!

ビキンッ!

ヴォオオオオオォォォオオオオオオッッ!

リツコ「!?実験中止!回路切断!」

「ダメです!信号拒絶!エヴァ内部に、高エネルギー反応!」

リツコ「まさか……使徒……!?」



青葉「松代にて、爆発事故が発生!」

日向「被害不明!」

冬月「救助、及び第三部隊を直ちに派遣しろ。戦自介入の前に処理しろ」

日向「了解!」



青葉「事故現場に未確認移動物体を発見」

日向「パターンオレンジ、使徒とは確認できません」

ゲンドウ「第一種、戦闘配置」

青葉「総員、第一種戦闘配置!」

日向「地、対地戦用意!」

マヤ「エヴァ全機、発進!迎撃地点へ緊急配置!」


シンジ「松代で事故?そんな、じゃ、ミサトさん達は…」

レイ「まだ、連絡取れないわね」

シンジ「そんな…どうしたら…」

ハルヒ「ぐじぐじしててもしょうがないわよ。やるしかないんだから」

シンジ「でも、僕達だけで使徒に…?」

長門「現在は碇司令が直接指揮をとっている」

キョン(……佐々木…!)


青葉「野辺山で、映像を捉えました。モニター、出ます!」

冬月「やはり……これか」

ゲンドウ「活動停止信号発信。及び、エントリープラグの強制排出」

バフォッ……ぎしっ……

マヤ「ダメです。信号拒絶。プラグ排出信号受け付けません」

ゲンドウ「パイロットは?」

日向「心拍、呼吸の反応はありますが…おそらく…」

ゲンドウ「現時刻を以って、エヴァンゲリオン仮設五号機を破棄。目標を、使徒と識別する」

マヤ「……了解……」


ゲンドウ「目標を予定通り、野辺山で戦線を開き、殲滅しろ」

日向「了解……」



青葉「エヴァ全機、配置完了」

青葉「大丈夫かい?みんな」

シンジ「なんとか」

アスカ「上々よ!」

ハルヒ「ええ」

レイ「問題ありません」

キョン「……はい」

青葉「では、モニター、回します」


日向「全機、戦闘よォい!」

カシャッ

シンジ「使徒!?これが、使徒!?」

キョン「……そうだ」

シンジ「で、でも、中には僕達と同じくらいの子供が乗ってるんだろ!?」

アスカ「あんた…まだしらな…きゃっ!?」ザザザーッ

シンジ「あ、アスカ!?アスカ!!」

キョン「ぼさっとすんな!ハルヒ!」

ハルヒ「え?あ、ちょっ!きゃああっ!!」ザザーーーッ

キョン「ハルヒ!」


キョン「綾波ぃっ!」

レイ「大丈夫、目標を視認したわ」

レイの目には、どすん、どすんとゆっくり肩を動かしながら移動する、仮設五号機が視えた。

レイ(あの中には……たしか……佐々木さんが……)

すっと、五号機の動きが止まる。
ぐるりと零号機の方を向き、バカッと大きく口を開けて大きく跳ねた。

レイ「あっ、きゃあああああっ!!」

シンジ「綾波っ!おいっ!綾波!」

キョン「くっ……気張れよシンジ。男だけだ。かっこわりーことすんじゃねーぞ…!」

シンジ「かっこ悪いもなにも!戦うきかよ!」

キョン「っ!」


キョン「戦わなきゃ……守れねぇだろうが!」

シンジ「!!」

キョン「戦わなきゃ…掬い出せねぇだろうが!意地でも、戦って!戦って!勝つしかねぇだろう!」

シンジ「……でも!!」

キョン「ああっ!!うじうじしてんじゃねぇ!だからてめーはいつまでもそんなだせぇんだ!お前が戦わないなら、俺がやるだけだ!」

シンジ「キョン!」

キョン「うるせぇ!!お前は指でもしゃぶって黙ってそこで見てやがれ!!」

絶対に…負けられねぇんだよ…!
佐々木…
絶対に助けてやるからな…!


ずんずんと四号機を走らせる。
早く着け。
間に合わなくならないうちに。

ずん。
山と山とで視界が遮られていたのが、ぱっと開ける。
そこに、五号機は居た。

キョン「佐々木…!」

そこにいた緑の機体は、ずしん、と一度歩いたあと、ぴたりと止まった。

キョン「こっち向けよ。使徒」

ぐるりと、使徒がこちらを向く。
そうだ。

キョン「お前は潰して、佐々木を取り戻す」

ずんずんと思い切り走らせ、一気に近づく。
しかし、強固なATフィールドが、俺を遮った。

キョン「ぐおっ!!」


キョン「負けて……らんねぇんだよ……」

キョン「使徒なんかになぁあああああっ!」

バチんとこちらもATフィールドを展開する。

マヤ「す、すごい、暴走した初号機よりも強いですよ、このATフィールド!」

青葉「よ、四号機!使徒のATフィールドを浸食!」

ぐぐぐっと浸食し、左手の先をずぶっと突っ込む。

キョン「心の壁だろ……!ATフィールドは……」

ゆっくりと、指先が入っていき、指先から、根元まで入る。

キョン「負ける気がしねぇのよおおおっ!!」

左手で思い切りATフィールドを切り裂く。
使徒はびくんと2.3歩後退り、こちらを見据えた。

キョン「もう……ATフィールドはねぇぞ…!ガチンコといこうぜ!使徒!」



俺の優勢かと思われた。
というより、圧倒的に、優勢。
だが、使徒は笑った気がした。

刹那、目の前から使徒が消える。

キョン「!?どこだ!!」

探しても、見当たらない。


その後すぐに、どすんと振動と、落ちた衝撃音が、後ろで鳴った。
気付いたときには既に遅く、俺はがっと、首を掴まれた。

キョン「ああっ…ぐうぅっ…」

首に感覚が走る。
ぎりぎりと締め付けられる感触。
後ろに手を伸ばして離そうとするが、できない。
強い……!


冬月「神経接続を、30%にカット!急げ!」

ゲンドウ「よせ」

冬月「!?何故だ!彼が死ぬぞ!」

ゲンドウ「……」

冬月「碇!」

ゲンドウ「エヴァは…一機ではない」

冬月「!?」

ゲンドウ「まだ、シンジがいる」



シンジ「うおおおおおおおおおおおおっ!」

どすんどすんと振動。
そして、シンジの雄叫びが聞こえた。
馬鹿野郎、遅えんだよ。

バヅンと嫌な音が響くと、使徒の力はすっと緩み、俺は抜けられた。
シンジが、プログナイフを使徒の腕に突き刺したからだった。

キョン「……遅いんだよ。ヒーロー」

シンジ「へへっ。ごめんね」

キョン「……反撃開始だ!」


使徒は、自分の腕に刺さったプログナイフを右手で引き抜くと、自分の目の前にプログナイフを掴んだまま右手を突き出し、左手をその手の後ろに添えて構えた。

プログナイフを使うつもりか?

長門「使徒に知恵がついている可能性がある。気をつけて」

なるほどねぇ…

キョン「どう思う。シンジ」

シンジ「どうだろう。でも」

シンジ「キョンが居るから、負ける気はしない」

キョン「ありがたいねぇ。んじゃあ、行くか!」


二人で一斉に駆け出した。
使徒はプログナイフの電源をつけ直し、ふいい、と振動させながら構えていた。

キョン「いくぞおらぁっ!」

こちらもプログナイフを肩から引き出す。
電源をいれ、同じように振動させる。

シンジ「くらえっ!」

初号機が右足を大きく振りかぶり、きゅんと素早く体をひねり、蹴る。
しかし、使徒は思い切り体勢を落とし、地面にべたっと張り付く。
俺が倒れこむようにプログナイフを刺し込もうとすると、四号機の顎に思い切り掠めながら使徒は飛び上がった。

キョン「いってぇっ…!」

シンジ「くるよ!」


きゅんと落ちてくる音がしたと思った途端、頭頂部に激痛が走る。
落ちてくる衝撃をプラスした踵落としをまともに食らってしまった。

シンジ「キョン!」

キョン「ってぇ…!」

頭を大きく下げてしまっていた機体を持ち上げようとする必要もなく、俺は使徒に頭をがっと掴まれて膝で蹴り上げられた。

そのまま後ろに倒れこみ、田んぼの水が溢れ、そこかしこが水浸しになった。

シンジ「なにやってんだよっ!」

キョン「ああっ!くそったれっ!」


キョン「くっそ!」ガシャッ

キョン「うおわっ!?」

田んぼの泥濘のせいで、腕をついて立ち上がろうとしたとき、ずるっと滑って倒れこんだ。

シンジ「ああっ!ダサいのはそっちじゃ--」

キョン「おい、シンジ!」

ぐるんと使徒が初号機の方を向き、ばっと走り出す。
すぐに右腕で初号機の首が掴まれ、ぐぐぐと持ち上げられて行く。

キョン「シンジ!」

シンジ「あっ…ぐぅあ……」


持ち上げられた初号機の右足に、使徒がプログナイフを突き立てる。

ブズッ!
ギャギギギイイイイイイイイイイイイイ!

シンジ「ふぁっ!うあああああああっ!」

振動で刻まれて行く音、使徒はプログナイフを切れてゆくままにゆっくりと左へ引いてゆく
同時に、ぶちぶちと靭帯がちぎれて行く音がする。

シンジ「がっ…ああああ!」

キョン「シンジぃっ!」


俺がなんとか起き上がり、使徒の方へ走ると、使徒もそれに気付いたようで、ぱっと初号機を離した。

キョン「こんっのやろうが!」

全速力で近付き、目の前できゅっと止まってから、右足で思い切り顎を蹴り上げる。
くらっと使徒が怯んだので、そのまま両手をぐっと組んで殴りつける。

しかし、使徒は、下げた頭そのままに、腕を上に伸ばし、四号機の首を両手で締め上げた。

キョン「あっ…ぐっ…くっそ…!おい!シン……ジ!」

シンジ「だ、ダメなんだよ!右足の靭帯が切れてる!立ち上がれないんだよ!」

…!
そこまで考えてやがんのか…!?

キョン「ああ"あっ……!あっぐう…!」

ぎりぎりと締め付ける力が強くなる。
このままじゃ……


ゲンドウ「……」

冬月「今度こそいいな!?神経接続を---」

ゲンドウ「待て」

冬月「なっ!?」

ゲンドウ「伊吹二尉」

マヤ「は、はい!」

ゲンドウ「……ダミーシステムを」

マヤ「えっ!?本気ですか!?」

ゲンドウ「彼らがエヴァの力を発揮しきれていないのなら」

ゲンドウ「これしか、人類の勝つ方法は、ない」




キョン「お……ま、…まてよ…」

ゲンドウ「誰に口を聞いて居る」

キョン「…ダミー…なんか、いらない……」

ゲンドウ「現に今、負けている」

キョン「負け……ないから……」

ゲンドウ「……四号機が使えるんだな」

マヤ「は、はい。断裂部もなく……稼働…可能です」

ゲンドウ「四号機のダミーシステムを今すぐ起動しろ」

キョン「お…おいぃっ…!」

マヤ「で、でも!」

ゲンドウ「早くしろ!」

マヤ「びくっ……は、はい……」

キョン「ああっ……やめ……ろよ……おいぃっ!……」


マヤ「異常……なし…」

長門「……私に任せて欲しい」

マヤ「え?」

長門「司令。ダミーシステムの起動を私に一任して欲しい」

ゲンドウ「…構わん」

長門「……では」カタカタカタカタカタカタ

キョン「な、にしてやがる……長門っ…手やめ…させろよ…」

長門「……ダミーシステム、異常なし。起動」

キョン「長っ……と……くっはぁっ!?はぁっはぁっ」

がくんと首にかかっていた圧力が消え、ダミーシステム、と書いてある部分のディスクがふいいぃと音を上げながら回転する。

キョン「おい!!長門!!いますぐとめろ!!おい!!」

長門「私は、貴方の命の方が、大事」

キョン「バカやろう!佐々木が!佐々木がぁぁぁっ!!」


キョン「おいっ!おいっ!長門!止めやがれ!くっそ!くっそ!おい!」

長門「……」

キョン「ちくしょうっ…ちくしょおっ…」

無慈悲にもディスクは回転を続け、四号機ががくんと跳ねて、

ヴォォォォォオォォアアアアアッ!

初号機とは、違う低い雄叫びを上げながら、ぐぐっと使徒の腕をつかんだ。

掴んでから数秒。
バキッと骨の折れる音が聞こえ、更には、筋肉が、肉が潰れて弾けとんだ。

キョン「佐々木っ……佐々木いぃっ!」ガシャッガシャッガシャッ

動かそうとしても、操縦桿の音がむなしく響くだけだった。


使徒は数歩後退り、腕をだらんと垂らしながらこちらを睨みつけていた。

それに対して、四号機は全速力で走り出した。

ヴォォォォォオォォァアアアアアッ!!

雄叫びを叫びながら走る四号機は、思い切り肩から使徒にぶつかり、使徒を吹き飛ばした。
後ろにふっとんだ使徒は仰向けに倒れ、そのままぎしぎしと動いていた。

ヴルルルルルル

まるで獣のような声。
そのままずしん、ずしんとゆっくり近寄り、使徒からマウントポジションをとった。


カアウッ!

バキッ

そのまま四号機は両手を組み、使徒の胸を思い切り叩き始めた。
一発目で装甲が剥がれ、エントリープラグが露呈した。

キョン「やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!」ガシャッガシャッガシャッガシャッ!

コオウッ!ガウッ!カアウッ!ガアッ!

訳のわからない奇声を上げながら、四号機はただ殴り続ける。

パシッ

ビキッ

ゆっくりと、エントリープラグに亀裂が入っていく。

キョン「やめ……やめて……くれっ……」



殴られるたびに、びくん、びくんと跳ね上がる使徒。
しばらくすると、跳ね上がることも無くなり、ぐったりと口を開いたまま倒れていた。

四号機は、その頭目掛けて、思い切り

カアアアアアアアアアアウッッ!!

くぢゅっ

正拳を思い切り落とした。


キョン「ひっ……うわああああああああああああっ!!!やめろ!!やめろ!!とめろ!!長門!止めやがれ!!止めないと!!とめろよ!!頼むから!!おい!!あ、あああああ!!」

そういう間にも、既に崩れている頭に、がすん、がすんと拳を打ち込む四号機。
その度に、ずちゅ、ぐちゅ、と嫌な音が響いた。

マヤ「うっ……げえぇえっ……」ぼたばたっ

マヤ「おねがい…止めてあげて…有希ちゃん……」

長門「……」

ただ、長門は無表情で座っていた。
小泉ですら、目を見開いて青いツラをしているのに。


すると、四号機は飽きたのか、立ち上がって使徒を蹴った。
その結果、使徒はごろんとうつ伏せになった。

四号機はうつ伏せの使徒の首の部分をぐっと抑え、エントリープラグを固定する板をばこんと外した。

キョン「お、おい!!やめろ!」

キョン「おい!おい!!!おい!やめて、やめてくれ!頼むから!!おいっ!!」

「いいから」

キョン「はぁ!?」

長門「私を、信じて」

キョン「!?」


四号機が、エントリープラグを取り出した途端、がくんっと四号機はそのまま膝をついて、エントリープラグを地面に置いた。

キョン「!?」

長門「あなたが、助けるんでしょう?」

キョン「……!!長門!!」

長門「四号機、プラグ排出信号発信。四号機、受信」

長門「さぁ、いってあげて」

キョン「!!恩に着る!」

俺は四号機の背面の梯子を降り、五号機のエントリープラグへ向かった。

キョン「佐々木!!」


がっと緊急用のハンドルを掴む。
ゆっくりと、思い切り力を入れて回す。
佐々木…生きててくれ……!

がこんとエントリープラグが開くと、
佐々木は、左手に裂傷がある程度で、ケガを全然していなかった。

どうして…

長門「腕の傷はどうにもできなかった。しかし、ダミー発動時に、神経接続をきった。感謝して」

キョン「ああ……ありがたい!」

佐々木「う……」

キョン「佐々木!!」

佐々木「……迷惑……かけたね」

キョン「んなこと……うわぁあああ…」

そのあとは、俺はただ泣きじゃくった。


その後、ネルフの人たちは、零号機や、弐、参号機の回収に手間取っていた。

ネルフ本部
女子更衣室

ハルヒ「……」むすっ

アスカ「あのバカシンジに……手柄取られるなんて……」

ハルヒ「……バカキョン……」むすっ


キョン「生きててよかった…佐々木…」

佐々木「ああ…ありがとう。五号機は頭を挿げ替えれば使えるらしいし、キョン君の力になれるよ」

キョン「ああ…よかった…!」



なんか女子更衣室にキョンがいるみたいになっちゃったなごめん

キョン「体はなんともないのか?」

佐々木「ん、とくに」

キョン「そうか、よかった」

佐々木(気持ち悪いとかいったら心配するもんな……)

佐々木(う……)



とある施設

「君たちは最低だね」

「最低とは。我々になんという口の聞き方か」

「ほんと、最低だよ」

「われわれにできうることを、シナリオ遂行のために、犠牲は仕方がない」

「……軽蔑するね」

「好きにしろ。タブリス」



帰り道

長門たちと分かれた俺は、佐々木と帰っていた。

キョン「しかし、生きててよかった…」

佐々木「うん。感謝してるよ。キョン」

キョン「いやいや、何よりだ。本当に」

佐々木「うん」

キョン「だいじょぶか?顔、青いけど」

佐々木「え…そうかな?」

キョン「おう」

佐々木「そうか。まぁ気のせいだろうよ」

キョン「そうかい」


佐々木「それか、わかんないけど、使徒に憑かれてたから疲れてるんだろう」

キョン「そうか。なんでもないならいいんだ」

佐々木「ああ」

キョン「……」

佐々木「……」

キョン「佐々木」

佐々木「ん?…ん!?」

ちゅ

キョン「お返しだ。いままでのな」

佐々木「ふ、ふぇっ!?/////」

キョン「じゃあなっ!」

佐々木「キョンから……」

佐々木「くっく…気持ち悪いのなんか飛んでっちゃったな…」



「…やっぱり。なのか」

「ああ」

「気が進まないんだけどな」

「お前の意見は関係ない」

「……結局……こうなるのか」

「頼んだぞ」

「はぁ……わかってるよ」

ボウン…

「……やれやれ」


part10に続く
スポンサーサイト

キョン「また使徒か」 part8



287 名前: ◆UqSHFgvvQ2 [] 投稿日:2009/10/22(木) 15:24:39.57 ID:SQIYFwmmi
俺はというと、とんでもない悔しさと、奴らに対する憎悪とでもやもやしつつ、家路についた。
家が見えると、家の前に、誰かがいた。


キョン「そこにいんの誰だ?佐々木か?」

「……僕を女の子だと?すこし嬉しいねぇ」

キョン「……なんだ渚か」

そこに居たのは、渚カヲルだった。

カヲル「なんだとは失礼だなぁ。それと、な、ま、え」

キョン「ええい、顔を近づけるんじゃない。何の用だ」

カヲル「少し、話をね」


キョン「俺はおまえに話なんかないな」

カヲル「つれないなぁ。蹴ったの怒ってる?」

キョン「そんなに小さい男じゃない」

カヲル「ふふっ。そうかい。君たちの帰り道の話をしにね」

キョン「!?ほんとか!?」

カヲル「ああ。でも、長くて辛い道のりだ」

キョン「……教えてくれ」

カヲル「ふふっ。僕の名を囁きながらキスしてくれたら、考えようかな?」

キョン「帰る」

カヲル「あ、待て!こら!」


キョン「で、教えてくれんのか」

カヲル「いやだなぁ、冗談だよ、冗談。教えるともさ」

キョン「して、その方法とは」

カヲル「ぼくに勝ったら、教えてあげるよ」

キョン「帰る」

カヲル「あ、ごめん!ごめんって」


キョン「で?」

カヲル「つれないんだから…いいじゃないかキスくらい……」

キョン「よかぁない!」(佐々木にぶっとばされそうだからな)

カヲル「ふん!」


キョン「んで?」

カヲル「補完計画はしっているね?」

キョン「ああ」

カヲル「たぶん。わかんないけれど、あの時に、君たちの世界に戻れるんじゃないかな」

キョン「!?」

カヲル「補完後の世界は、とても不完全で、みなの心が入り混じる。この怖さを涼宮さんは知らないよね」

キョン「ああ、漫画にはないからな」

カヲル「けど、絶対に補完は起こるよ。ゼーレがいる限り」

キョン「だろうな」

カヲル「心が入り混じる。意味がわかるかい?」

キョン「?」


古泉「おや、僕達を差し置いて話し合いですか?」

長門「ひどい」

キョン「お前ら、俺があの時のことを忘れると思うなよ…」

古泉「だって長門さんが!」

長門「……ダウト。貴方が彼には見せないで反応を楽しみましょう。と言った」

古泉「!?長門さん!?」

キョン「ほほう」

古泉「いや、これは、別にそういう訳ではないのです。ええ」

キョン「どういうわけだ?ああ?」

カヲル「いいから話を進めようよ」


キョン「お前らダメ。くんな」

古泉「なんとっ!?」

長門「私は悪くない。彼が全て悪い」

古泉「なんですと!?」

キョン「よし、長門。お前はいいぞ」

長門「……」グッ!

古泉「なにをっ!?」

キョン「お前は」ニヤニヤ

長門「おあずけ」ニヤニヤ

古泉「あなたたち!!」


カヲル「さて、遠くにきたところで、話をしたいんだが……キョンくん。君の後ろの電柱に涙目の古泉くんが」

キョン「いい。ほっとけ」

キョン「あいつが」ニヤニヤ

長門「悪い」ニヤニヤ

カヲル「仲がいいね君たち」



古泉「覚えてろよ…いつかセカンドレイドぶちかましてや…もっふ!?」ガンッ!

キョン「やかましい!」

古泉「い、石を投げるのは反則ですよ!!」


カヲル「もういいかな?」

キョン「ああ」

カヲル「補完計画は、人人の心の足りない部分を、みんなで一つになることで補おう。って計画なのはわかるね?」

キョン「ああ」

カヲル「つまり、本心が剥き出しになるわけだ」

キョン「だな」

カヲル「けど、君達はこの世界の人間じゃない。なら、同じように補完できるのだろうか?と思ったんだ」

キョン「ほう?」

カヲル「ところで聞き耳立ててるみたいだけど、いいの?彼」

キョン「まかせろ」ぐっ

古泉「い、いしはやめてっ!」


カヲル「んでだよ。つまり、これは君達にとって大きな利点だ」

キョン「なんでだよ」

長門「うまく補完されない、ということは、本心のぶつけあいに、更になってほしいこと、をぶつけられるかもしれない」

カヲル「そ。つまり、涼宮さんに、心の底から君達の知り得ること全てを打ち明けて、君達のしたいこと、やりたいこと、どうしたいのか、ぶつけてみたら、あるいは」

長門「涼宮ハルヒが、世界の再々構成を行うかもしれない、と?」

カヲル「そういうことだね」

キョン「でも、あいつはこの世界のことを気にいってんだぞ?」

長門「その点はA801などでどうにか」

カヲル「A801?ネルフの法的敢然放棄?」

キョン「こっちの話だ」


カヲル「だって、この世界がその、漫画やアニメがベースの世界であるなら、急に現れた君達は、この世界の最初の人口と噛み合わない」

カヲル「故に、君達は、この世界においてのイレギュラー。なわけなんだよ」

キョン「なんかすげぇ納得」

長門「なるほど」

古泉「くっ…きこえないっ……」

カヲル「まぁ、無茶苦茶な理論だけど、十分にあり得ることだと思うよ」

長門「おそらく、かなり可能性は高い」

キョン「でもそれだと…」

長門「全使徒の撃破。及び、ロンギヌスの槍をどこか人間の手の届かないところへ放棄、など、条件派かなりある」

キョン「A801を発生させるなら必須条件だもんなそれ」

長門「……」こくん

カヲル「ほんと、君達怖いね。なんでもしってるんだ。僕なんかより」

キョン「そりゃまぁな」


キョン「けど、この世界を好きになりかけてる自分もいる」

キョン「だって、アニメの中に入る。なんてのは、男の子の夢だぞ。ロマンだぞ」

カヲル「そうなのかい?」

長門「女性においてもそれは同じ」

カヲル「ふぅん…」

キョン「けど、俺ぁやっぱり普通がいい」

カヲル「普通とは?」

キョン「んなもん、部室で、朝比奈さんがお茶を淹れてくれて、長門はもくもくと本を読んでで、俺と古泉が将棋でも打ってて、団長様はやかましい」

キョン「谷口は相変わらずバカで、国木田に諭されてて、鶴屋さんが笑ってて。
ハルヒがバカしでかして、古泉があわてて、長門が助けて、橘やらが出てきて、佐々木もいる。
なんやかんやあって、なんやかんやで解決して、また部室でのんびりする」

キョン「そんな日常がいい」

カヲル「……そうか」


カヲル「少し、残念だ」

キョン「あ?」

カヲル「僕はね。君達が好きなんだ」

キョン「…へ?」

長門「……////」

カヲル「だから、少し、寂しいな」

キョン「……」

カヲル「……ふふっ。冗談だよ。気にしないで」

カヲル「じゃ、話も終わったわけだし。僕は帰るよ。じゃあね。あ、そろそろ彼、構ってあげないと泣いちゃうよ?ふふっ」

キョン「忘れてた」

古泉「……あなたなんか大嫌いですよ…」



数日後
学校

キョン「しっかし、先は長いな」

古泉「ですね」

長門「でも、やるしかない」

ガララッ

みくる「遊びに来ましたよ~」

古泉「とはいえ、全使徒とは、先が思いやられます」

長門「先の戦闘で確定した。使徒は強くなっている」

キョン「だな」

みくる「ふぇ?ふぇ?なんの話ですか?」

長門「今回のことを考えても、使徒に対してまた対策が必要」

古泉「たしかに」

みくる「キョンくんたちなんの話をしてるんですか?」

シンジ「僕はわかんないな…なにいってるのかさっぱり」

みくる「ふぇええー」


アスカ「そういえば加持さんなにしてんのかしら」

シンジ「京都に出張。聞いてないの?」もぐもぐ

アスカ「聞いてないわね。よこしなさい焼きそばパン!」バッ

シンジ「あっ!ちょ!アスカ!」

アスカ「ん、おいふぃ」もふもふ


京都

加持「マルドゥック機関……ここもダミーか……」

加持「……まだまだ先は長いな…」


キョン「次はなんだろうな」

長門「わからない」

古泉「こればっかりはどうにもわかりませんねぇ」

カヲル「……すこし、面倒な子だよ」

古泉「え?」

キョン「どういうことだ」

カヲル「どうもこうも…うまくいえないな。あの子は」

カヲル「ただ、必要な鍵は君じゃない。シンジくんだよ」

キョン「?……ゼルエルか?」

カヲル「……ま、もうすぐで来るよ。気をつけてね。キョンくん」

カヲルがそういうと、けたたましく、サイレンが鳴った。

キョン「…ほんとにきやがった…!」


ミサト「なんなのこいつー…」

BLOOD TYPE-ORANGE

マヤ「MAGIは回答を保留しています」

ミサト「気持ち悪い外見ねぇ」

リツコ「油断はできないわ。確実に使徒だもの」

ミサト「ま、なんであれ、撃墜するしかないわねぇ」

ミサト「パイロットを召集して」



レイ「……こればっかりね」

レイ「召集よ。急いで」

キョン「結局なんなんだ?」

カヲル「……夜をつかさどる子だよ…」

古泉「!!……急ぎましょう。その使徒が強化されているなら、かなり危険です」

キョン「ああ?」


ネルフ本部
作戦会議室

ミサト「今回のターゲットはこいつよ」

カシャッ

キョン「!!」

古泉「わかりました?」

キョン「ああ」

マヤ「現れてから、一度も攻撃、及び、ジオフロントを目指そうともせず、ただそこに停滞しています」

ミサト「ようは正体不明の使徒よ」

ミサト「とりあえず、全機をある程度距離を取って配置して、威嚇射撃を試みます。先頭は…だれがいいかしらね」

アスカ「はいはーい」

ミサト「なに?アスカ」

キョン(この展開は!!)

古泉「まずいですね」


アスカ「やっぱりーシンジがいいとおもいまーす!最近やたら活躍してるしぃ、やっぱ、シンクロ率最高値、戦績優秀、男の中の男のシンジくんがやるべきでーす」

シンジ「な、なんでぼくなんだよ…」

アスカ「あっらぁー?びびっちゃってるのかしらぁー?あのシンジ様がぁ?」

シンジ「カチン……いいよ?やってやるよ!」

アスカ「むかっ……はっ!やってみなさいよ」

ハルヒ「お、落ち着きなさいよ」

アスカ「うっさいわね!変人は黙ってなさい!」

ハルヒ「なななっ、なんですってぇ!?」

キョン「ああ……ああ……」

古泉「フラグ立ちましたね。確実に」



ミサト「いいわね、最初は待機よ。他の子たちがちゃんと集まるまでね」

シンジ「わかってます」

アスカ「はっ!びーびってんじゃなーいのぉー?」

シンジ「はぁ!?」

アスカ「ま、最前線で頑張ることねぇー」

シンジ「…ああ、任せろよ!」

ミサト「ちょ、ちょっとあんたたち…」

シンジ「ミサトさん、戦いは、男の仕事ぉ!碇シンジ、でます!」

ミサト「……」

アスカ「イラッ……アスカ。でます」

キョン「あー…絶対まずい。あー…四号機、でます……」

ミサト「なんなのよ今日のみんなは…」


ミサト「初号機は配置についたわね」

ミサト「他は?」

青葉「進路に異常があったので、弐号機、参号機、四号機は、すこし遠い位置からですので、すこし遅れてしまうかと」

ミサト「そう……聞いたわねシンジくん。準備できるまで、待機よ」

シンジ「わかってますよ。ミサトさん」

ミサト「レイ、いいわね」

レイ「はい」


みんな、遅い……!
もう、撃てるのに…

いま撃てば、勝てる。
コアは見当たらないけど……
怯ませるくらいは…できるはず……

まだか…はやく…!


キョン「ええい、クソったれ!中途半端に原作通りとは面倒臭い!」

四号機を全速力で走らせる。
あと何分だろう。
わからんが…


シンジ「いける…いけるのに…」

まだか、まだか。

シンジ「……くっ…威嚇射撃だ!」

パンッパンパンッ!!

キョン「ああっ、くそっ!遅かったか!!」

四号機が着いたときにはもう、初号器の持つ拳銃から、弾が放たれていた


使徒は弾に当たる前に消え去った。
こりゃまずいって!

マヤ「あっ!パターン青!使徒です!」

ミサト「どこ!?」

マヤ「エヴァ初号機の足元です!使徒、範囲拡大!」

キョン「なんですとっ!?」

四号機の足元にまで、影は伸びていた。

キョン「うおうっ!?まてまてまてまて!流れからしておかしいだろ!!」ガシャッガシャッガシャッ

必死で動かすも、どんどんと使徒に飲み込まれて行く

シンジ「うわっ、なんだよこれ、え!なんだよ!た、たすけて!たすけてよ!ミサトさん!ミサトさん!ミサっ…ザーーーーー」

ミサト「シンジくん!!キョンくん!!」

アスカ「あんのバカども!」

ハルヒ「最悪ね!!」

レイ「っ!!」


アスカ「こんのおおおお!」

パンパンッパンパンッ!!

ひゅんと使徒は消え、また地面に大きな影が現れた。

ハルヒ「バカッ!見たでしょうに!うわっ!?こっちまで!?」

弐号機はビルによじ登った。
参号機は、来る直前に飛び上がり、だむんとビルの上に飛び乗って逃げる。

ハルヒ「な、なんだってのよ!キョン!ちょっと!返事なさい!」

アスカ「バカシンジ!こら!返事しなさいよ!おい!」

ミサト「……嘘でしょう……?」

古泉「……貴方まで飲み込まれてどうするんですか……!」

長門「……ど、どうしよう……」


コアもクソもなにも、レリエル戦はただ初号機が暴走するだけだぞ?原作は


ミサト「で?結局なんなの。こいつは」

リツコ「使徒よ」

ミサト「んなことわかってんのよ!」

リツコ「…恐らく、初号機と四号機はディラックの海に飲み込まれたのね」

ミサト「ギャリック?」

リツコ「王子の必殺技じゃないわ。ディラックよ。虚数空間」

ミサト「なるほど?」

リツコ「わかってないでしょう…ようは、異次元に飛ばされたのよ」

ミサト「…救出は?」

リツコ「まだわからないわね」


ネルフ本部
総司令執務室

リツコ「どうしたらいいでしょうか?」

ゲンドウ「……強制的にサルベージしろ。パイロットの生死は問わん。初号機が無事なら、それでいい」

リツコ「……了解しました。失礼します」

ゴファッ
ゴファン

冬月「いいのか?碇」

ゲンドウ「……」

冬月「……碇?」

ゲンドウ「シンジ……」ぽろぽろ

冬月「!?泣いとるのか!?」

ゲンドウ「シンジ……ぐすっ」

冬月「な、情けない…」


ミサト「司令は?」

リツコ「初号機の強制サルベージを行うわ」

ミサト「?なによそれ」

リツコ「現存するN2地雷全てを、使徒の本体に向けて撃ち込み、その後、浮かんで来るであろう初号機をサルベージ。四号機も回収できれば回収するわ」

ミサト「それ、パイロットの生死は!?」

リツコ「問わないそうよ」

ミサト「…!!あんた!なにいってるかわかってんの!?」

リツコ「重々わかってるわよ。初号機が無事なら、パイロットもなんとかなる」

パシンッ

ミサト「あんたね…!」

リツコ「……」


リツコ「もし、シンジくんが大人しく、生命維持モードにしていれば、72時間は持つわ。それ以降なら、構わないわね」

ミサト「……くっ」

リツコ「情じゃなく、理屈を覚えなさい。ミサト」

ミサト「っ!!」

パンっ!

リツコ「痛いわよ…」

ミサト「最低よ…あんた!」

ゴファッ
ゴファン

リツコ「……私だって……」


虚数空間内部

シンジ「生命維持モードにして、38時間か……もうすぐ……死んじゃうのかな……死にたく……ないな……」

シンジ「……お腹……へったな……」

シンジ「……カレーが食べたい…」


そのころ、
キョン

キョン「うおおおおおおおお!ありえねええええええ!出れるのか!?出れるのかこれ!!」じたばたじたばた

キョン「もう38時間だぞ」じたばたじたばた

キョン「腹が…へった…」

キョン「このままじゃ……死んじまう……」

キョン「どこぞの海賊みたく足くうか……」

キョン「じーっ……」

キョン「……できるかあ!!」ガタン!!


キョン「はぁ……」

キョン「なんとか維持モードで持っとるが……」

キョン「空腹だけは……かなわん……」

キョン「くっそ……」

キョン「シンジ!おい!シンジ!」

キョン「……通信も届かない……」

キョン「くそ……」

キョン「こいつはコアもない……」

キョン「暴走は……しない……」

キョン「くっそ……」

キョン「死にたく……ねぇな……」

キョン「……」こぽこぽ


ここは、どこだ。

キョン「お前のこころの中だ」

お前、なんで俺が?
しかもガキ。

キョン「さぁてな。なんでだろうな」

お前は誰だ。

キョン「俺はお前だ。何いってやがる」

俺は俺だ。
お前こそ何いってやがる。

キョン「バッカだな。俺ったってたくさんいる。ハルヒが見ているキョン。古泉が見ているキョン。長門が見ているキョン。ほかにもな」

キョン「それが、怖いんだろ?」


こわかねーな。
べつに。
他人にどう思われようが知ったことか。

キョン「……」

なんだよ。

キョン「あれ?」

あ?

キョン「いやいや、怖いだろ?」

怖くねーよ。
そりゃなんかやらかしたら、多少はびくつくがな。

キョン「……おかしい」

はぁ?


シンジ「……ねむい……お腹…減りすぎて寝れないや……」


キョン「お前は怖いはずだ」

怖くないね。
そんなまんビビってたら、人生つまらんだろ。

キョン「……なんでだ?」

はぁ?

キョン「……」

……。

キョン「あれ?」

なんなんだよ。

キョン「おっかしいな」

はぁ?


シンジ「……こぽっ……!?血、血の臭いだ!出して!!ここから、出してよ!!出して!出して!!」


シンジ「……死ぬ前に……食べたかったな。カレー……」

シンジ「……」こぽこぽ


なんなんだ?

キョン「いや、なんだ。その。すまんかった」

はい?

キョン「あーなんだ。その。間違えた」

キョン「ほんとは、違うんだよ。なんか。違う」

キョン「すまんかった。少しじっとしてろ」

あ、お、おい!待てよ!俺の心なんだろ!?

キョン「いや、なんだ。その。すまんかったな。じゃな」


ここは…どこだ?

シンジ「……やっと来たか」

え、なんで僕がいるんだ?
君は誰?

シンジ「僕は君だよ。僕は僕。碇シンジ」


僕は僕だ!
君じゃない。

シンジ「ばっかだなぁ。碇シンジといってもたくさんいるんだよ?綾波レイの中の碇シンジ。アスカの中の碇シンジ。葛城ミサト野中の碇シンジ。たくさんいる」

シンジ「君は、それが怖いんだ」

それは…怖いよ。
みんながどう思ってるか、怖いもの。

シンジ「やっぱり君か」

え?

シンジ「こっちの話」


シンジ「君はいつもそうやって逃げてる」

うるさい。

シンジ「この前だってそうだ。パーティーのとき。君は心を開きかけていた」

うるさい。

シンジ「でも、また閉ざした。心の扉を」

うるさいうるさい

シンジ「弱いよ。君は」

うるさい、うるさいうるさいうるさい

シンジ「また、誰も信用できなくなってる。このまま、初号器ごとみすてられるんじゃないかって」

シンジ「38時間も誰も助けてくれなかった。だからもうダメだ」

……

シンジ「諦める?」

……

シンジ「誰も信用できないまま」

……


シンジ「居場所も、ないまま」

…居場所なら、ある。

シンジ「え…?」

キョンがいる。古泉くんがいる。
朝比奈さん。アスカ。涼宮さん。
トウジ、ケンスケ、カヲルくん。
それに、綾波。

シンジ「……」

いくらでも、あるんだ。

シンジ「いつぞやより、成長したね」

え?

シンジ「こっちの話だ」


シンジ「さ、起きるといい」

え?

シンジ「おかあさんが、君を待ってる」

な、なに、母さん?

シンジ「起きろ」


シンジ「……う……なんだ。いまの」

シンジ「あんまり覚えてないけど…」

シンジ「なんか、凄い、優しかった」

シンジ「……」

シンジ「居場所……見つけたのに…」

シンジ「しにたく……ないな……」

ぼぅ……



シンジ「……かあさん…?」

ぽう……

シンジ「……」

ビカッ!

ミサト「なに!?」

マヤ「し、上空の使徒内部に、高エネルギー反応!!」

リツコ「なんですって!?」

ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

ミサト「しょ、初号機…?」

リツコ「私たちは、なんてものをコピーしたの……?」

使徒の球体を片腕のみで引き裂き、使徒の血に塗れた初号機が、四号機を担いで、そこに居た。

古泉「……なんと凄まじい……」

ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォ!!!


ネルフ本部
初号機、ケイジ

ミサト「蒸すわね。これ」

日向「しかたありませんよ」

そこには、シャワーリングで血を落としている途中の初号機がいた。

ミサト「シンジくんは?」

日向「栄養補給が最優先ですので、集中治療、及び点滴での栄養摂取でしょうね。命に別状はありません」

ミサト「キョンくんは?」

日向「同じく」

ミサト「そう…ならよかったわ」

ミサト「エヴァンゲリオン……なんなの?これは……」


日向「汎用人形決戦兵器、人造人間、エヴァンゲリオンですよ」

ミサト「そんなことじゃないわ。…電源もなく、動けるはずがないのに。生命維持モードがギリギリ稼動できる限界。そんな中で、あれよ」

日向「確かに、恐ろしいですね」

ミサト「……こんなもの……」

日向「とはいえ、エヴァがなければ、使徒には勝てませんし」

ミサト「こんな訳のわからないもの使い続けて」

ミサト「いつか、しっぺ返しくらうわよ……」


俺はというと、

キョン「知らない…天井だ……」

キョン「……」

キョン「くっはぁーー!いってみたかったんだよなぁー!」

ゴファッ
ゴファン

キョン「……」

古泉「……」

長門「……」

キョン「聞いてた?」

長門、古泉「」ニヤニヤ


古泉「いやいや、ほんとに素晴らしい戦いっぷりで」ニヤニヤ

長門「じたばたともがく姿は格好よかった」ニヤニヤ

キョン「お前ら!俺がどんだけ……うおっ!?」

古泉が、俺に、
抱きついて来た。

古泉「本当……心配……しましたよ」

キョン「ちょ、おい!なくな!つか、離れろっ!長門、おい!背中に乗るんじゃない!」

古泉「生きてて、よかったぁ…」ほろ

長門「ほんと……そう……」ぼろぼろ

キョン「おまえらな……」


キョン「落ち着いたか?」

古泉「ええ……ぐすん」

長門「なんとか……ひくっ」

キョン「なんだ、いつものニヤニヤはなしか?」

古泉「……」にやぁ

長門「……」にやぁ

キョン「こわいこわいこわいこわい!!」


キョン「ところでだな。報告がある」

古泉「なんです?」

キョン「使徒に、精神攻撃をされた」

古泉「?精神攻撃をしかけてくるのは、アラエルとアルミサエルだけのはずですが?」

キョン「いや、なんか、間違えられたんだよ」

古泉「はぁ?」

キョン「いや、なんか、間違えた。すまんって」

古泉「なにその使徒。かわいい」

長門「そう?」


古泉「それが今回)の使徒の進化なんですかね?」

キョン「地味だな」

古泉「ですね」

キョン「まっ、シンジも俺も無事だったし。なによりだわ」

長門「貴方の方が大事」

キョン「だからだきつくな!!」


ネルフ本部
総司令執務室

加持「いやはや、大変なクルーズでしたよ」

ゲンドウ「御託はいい。結果を言え」

加持「ふふっ。わかりました」


ガタン

加持「持ち運びがラクで助かりましたよ」

パチッパチッ

加持「硬化ベークライトで固めてありますが」

ガコン

加持「生きてます」

ふしゅうぅ…

加持「第一使徒。アダムです」

ゲンドウ「よくやった。ご苦労」

加持「いえいえ、自分の仕事をしたまでですよ」


加持「それでは、失礼します」

ゴファッ
ゴファン

ゲンドウ「冬月」

冬月「なんだ」

ゲンドウ「第一使徒ってこれ?」ぷらん

冬月「なっ!?大事に扱え馬鹿者!それだそれ!」

ゲンドウ「きもちわりーんだけど」

冬月「阿呆!」

ゲンドウ「これ食うの?」

冬月「ああ」

ゲンドウ「うげえ」

冬月「おい!」


part9に続く

キョン「また使徒か」 part7



883 名前: ◆UqSHFgvvQ2 [] 投稿日:2009/10/21(水) 00:52:36.59 ID:gXJwwDOpi
次の日
学校

シンジ「あれ?なんで2人してケガしてんの?」

トウジ「なんやーなかよしコンビがケンカかいな」

古泉「鈴派らくんはシカトするとして、僕のケガは大したことではありません。ただ」

キョン「!!」

古泉「彼がとある事情ですっ転びましてねえ」ニヤニヤ

長門「あれは、それはそれは盛大な転び方だった」ニヤニヤ

キョン「おまえら!」

佐々木「さすがの僕も、笑うところだったよ」ニヤニヤ

キョン「佐々木まで!?」

カヲル「やっ、おはよう。お?みんなして
なにニヤニヤしてるんだい?」

古泉「いえ、昨日の転び方についてちょっと」

カヲル「ああ、あれか。盛大だったね」ニヤニヤ

キョン「おまえが元凶だろうに!」


ハルヒ「なになに?面白いはなし?」

アスカ「ききたいききたい!」

キョン「なんでお前らはこういうときだけ仲がいいんだ!」

レイ「……」

みくる「平和ですねぇ…ね。綾波さん」

レイ「……そうね」

カヲル「ん?……」

キョン「どうした、真剣な顔して」

古泉「まさか」

カヲル「ちょっとトイレ」

キョン「おい!」

古泉「はぁ…」


同時刻、ネルフ本部

青葉「!第三新東京市上空!未確認物体確認!」

ミサト「ええ!?」

日向「これは…」

マヤ「パターン青!使徒です!」

ミサト「!!」

青葉「モニター、でます!」

カシャッ

第三新東京市上空---
ゴウン…ゴウン…
フォウオオオオン…フォウオオオオン…フォウオオオオン

カシャッ

ミサト「なにこの形。使徒にしちゃわりかし綺麗じゃない」

リツコ「そう……かしら?」



レイ「……はい、もしもし。はい。……はい。わかりました」

レイ「…緊急召集よ。すぐに本部に集合。私は先に行ってるわね」

アスカ「…使徒!?」

レイ「らしいわ」

キョン「はぁ…大げんかのあとだってのに…また使徒か」

古泉「ふふっ頑張ってくださいよ」

キョン「やれやれだ」


数十分後
ネルフ本部

アスカ「使徒!?」

ミサト「ええ、これよ。日向くん」

日向「モニター、でます」

カシャッ

ゴウン…ゴウン…
フォウオオオオン…フォウオオオオン…フォウオ

カシャッ

キョン(ラミエル…か)

古泉「これはこれは…なんとも綺麗なかたちですねぇ」

ミサト「でしょう?」

リツコ「わ、わからないわ」


ミサト「はい、とにかく。使徒の攻撃手段がわからない以上、まずは発進させて見ないことにはなにもわからないわ!」

キョン「むっちゃくちゃいいますね」

アスカ「さ、さすがに、怖いわよ?」

ミサト「さすがに、全機で出て行って、予想外の攻撃を受けてしまった場合の損失はかなり大きいわ。…そっこっでぇー」

ミサト「まず最初に、様子見でエヴァを一機投入。敵の攻撃手段の確認、できればそのまま殲滅を行います。使徒の形状が今までとは全然違う上に、先のサイケデリックなお目目とは違って、攻撃手段の予測もできないわ」

ミサト「これほど重要な任務よ。やりたいひと、居るかしら?」

しーん…

ミサト「よねぇ……よし、私から推薦するわ!」

キョン(さて…誰を推すんだ?)


ミサト「今までの功績、及び、様々な面から考慮するとー…んー…」

ミサト「そうね…。シンちゃん。お願い」

シンジ「えっ!?え、えええ!?ぼ、僕ですか!?」

ミサト「そうよー。なんだかんだ、実績あるしね」

シンジ「そ、そんな…」

キョン(ここにきて原作通り!?)

古泉(どういうことでしょうか…)

シンジ「……まぁ、言われればやります。パイロットですから…」

ミサト「よっろっしぃ~。シンちゃんなら失敗しないとわかってるからお願いするの。よろしくね」

シンジ「…わかりました。じゃあ着替えてきます」

ゴファッ
ゴファンッ

キョン「じゃあ俺たちも行きます」

ミサト「よろしくね」


キョン「ミサトさん…なに考えてんだろうな」ぎゅっぎゅっ

俺がプラグスーツに、手を入れ、手の部分にしっかりと手を詰めながら聞いた。

シンジ「さぁ?……ミサトさんは時々、よくわからないから」しゅるしゅる

キョン「そうなのか?」

シンジ「僕を…どう思ってるのか、わからないんだ」しゅるっ

キョン「ほう…」ぎゅっぎゅっ

シンジ「僕のことを、哀れんでるのか。それとも、同情なのか。ただのパイロットだから、面倒みてくれてんのか」

シンジ「わからないんだ」

キョン「無駄なこときにするんだな」きゅっきゅっ

シンジ「無駄って…」ぎゅっぎゅっ

キョン「お前とミサトさんには、絆がある。それは、保障してやる」

キョン「だから、信じろ」プシューッ

シンジ「……へへっ。ありがとう。キョン」プシューッ


シンジ「じゃあ、先に行くね」

キョン「おう」

ゴファッ
ゴファン

古泉「……」

キョン「なーにニヤついてやがる」

古泉「随分と…酷なことをなさいますね」

キョン「……信頼できる友達。2人じゃすくねぇだろ。だから、俺も参加してやるのさ」

古泉「いえいえ、違います、貴方、これからなにが起こるのかわかっててあんなことを?」

キョン「……あ」

古泉「ほんと、バカですねぇ…!」


ミサト「準備いい?」

シンジ「…はい!」

マヤ「A10神経接続。異常無し」

みくる「オールナーブリンク異常無しでっす!」

キョン「遅かった…!」

古泉「あぁ……鬱展開が目に見える……」

マヤ「絶対ボーダーライン。突破」

青葉「エヴァ初号機、起動」

みくる「第一ロックボルト!はずせっ!」

「第一ロックボルト、はずせ」

みくる「第二ロックボルト、はずせっ!」

古泉「どーするんです?」

キョン「……どうしよう」


長門「出撃地点。設定完了」

カシュッカシュッカシュッカシュッカシュッカシュッカシュッカシュッカシュッカシュッ!

みくる「進路クリア!オールグリーン!」

ミサト「エヴァ初号機!リフトオフ!」

バチンッ!
ビシュンッ

古泉「……」

キョン「すまんかった。ほんとすまんかった」



シンジ「キョンの言葉…嬉しかった」

シンジ「気張らなきゃ……!」


ゴウウウウウッ!
ガコッンッ!

みくる「最終安全装置、解除っ!」

ミサト「いい?なにがくるかわからないわ!最初からATフィールド全開、最大出力でいきなさい!」


フォオオオオン…フォオオオオン…フォオオオオン…


シンジ「はいっ!ATフィールド、全開!」

シュウウウン!


フォオオオオン……ギギッ


青葉「!?」

ミサト「どうしたの?」

みくる「し、使徒、内部にっ、高エネルギー反応っです!!」

ミサト「!!シンジくん!!」


シンジ「…え?」


ギギギッ…キイイッ…キュン、キュン…カギンッ!


みくる「使徒っ、変形!なんか、上下にまっぷたつになりましたぁっ!?」

青葉「エネルギー、エヴァ初号機に向け、収束!」


イイイイィィィィアアアアアオウアアアアアア


パシュッ

ミサト「避けてぇっ!!」

シンジ「えっ…」

ゴウッと重いような、軽いような不気味な音がした。赤紫色の明るい光がエヴァ初号機に向けて一直線に伸び、そのあと、すぐに変化は起きた。

シンジ「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!あああああああああっ!!おああああああああああい!!」



シンジ「あ、あつっ…あああっ!あつい!降ろして!降ろしてよおおおおお!うあああああああああ!!あ、ああああああ!助けて!助けて!あああ!!おああああああああ!!」

ミサト「爆砕ボルトに点火!!エヴァを早くひかせて!!」

みくる「ははは、はいぃっ!!」

ばふんと、ビルの付け根に搭載されている爆砕ボルトに点火され、エヴァ初号機の足元がずんと落ちる。

そのままエヴァ初号機はジオフロントに落ち、回収された。


ネルフ本部
緊急治療室---


ミサト「じゃ、よろしく頼むわよ」

ゴファッ
ゴファン

キョン「シンジは!?」

ミサト「命に別状はないわ。ただ」

アスカ「あのバカが立ち直れるかが問題よね…」

レイ「……大丈夫でしょ。碇くんなら」

アスカ「はっ。あいつはあたしらみたいに神経図太くないのよ。またビビって、にげるわよ」

キョン「……信じるしかなかろう」

古泉「……」

アスカ「そうね」

レイ「……」


古泉「信じるしかなかろう…とは、よくいえたもんですね」

キョン「……すまん」

古泉「僕に謝られても困ります。一番傷ついているのは彼ですから」

キョン「そうだな……」

キョン「……すまん…シンジ」


ネルフ本部
作戦会議室

マヤ「先ほど、ヒトナナマルマルに、零号機による、長距離射撃を試みました」

カシャッ

マヤ「しかし、」

カシャッ

マヤ「相転移空間が視認できる程、ATフィールドは強烈」

カシャッ

マヤ「スナイパーライフルによる、長距離殲滅作戦遂行は実質上無理です」

ミサト「攻守パーペキの空中要塞…か」


ミサト「リツコ、奴のATフィールドぶちぬくには、どうしたらいいかしら?」

リツコ「スナイパーライフルが効かない、ということは、現存する基本的な物理兵器では役に立たないでしょうね」

長門「もし、強力な電力があるならば、荷電粒子砲などが有効と思われる」

リツコ「バカいわないで!ポジトロンライフルの耐用電力程度じゃ、あの相転移空間は貫けないわよ!」

ミサト「……あ、いーい案があるわー」

リツコ「なによ」

ミサト「んっふっふー……ちょーっちねぇー」

リツコ「?」

ミサト「あ、もしもし、あ、うんうん。あーそれでね、用件なんどけどー」


戦略自衛隊
技術開発部

ミサト「んっふっふー」

「……」

ミサト「ネルフ、特務権限により、試作自走陽電子砲を徴発します」

「ですが、これは試作品で…!」

ミサト「ネルフなら大丈夫よぉー。さ、レイ」

ガコンッ

「うわああ!」

ミサト「ご協力、感謝します」


リツコ「しっかし、むちゃくちゃいうわね」

ミサト「うちの技術研ならできんでしょ。うまいこと改造してくれるわ」

リツコ「そうね。で?この自走陽電子砲。どうするの?ネルフの電気全部使う、なんて言わないでしょうね」

ミサト「へ?なにいってんの」


ミサト「世界中から、力を借りんのよ」

リツコ「はぁ?」


マヤ「現在、使徒は使徒の体の底部がねじれて伸びており、それをドリルのように回転させて、ジオフロントを目指している模様です」

ミサト「了解。さっきの話はもう通った?」

日向「ええ。通りました」

ミサト「そっ。ならあとは技術研の連中ね」

「葛城三佐!中継器、連結器、その他諸々の部品到着しました!」

ミサト「あとどれくらいかかりそう?」

「三時間もあれば…!」

ミサト「遅いわ。二時間で作って」

「は、はっ!」

ミサト「それでは!ただいまより、本作戦を、ヤシマ作戦と呼称します!」



シンジ(……ここは……)

シンジ「……また、知らない天井だ……」

ゴファッ
ゴファン

シンジ「…あ、綾波……うわわわっ」ばばっ

レイ「…別に、見ないわよ」

シンジ「そ、そういう問題じゃないんだけどなぁ…」


レイ「作戦内容を発表するわよ」

レイ「本日、フタマルマルマル。エヴァ初号機の起動準備。フタマルサンマル。初号機を配置にセット。及び、零号機がやや前方にて待機。弍号機は…」

シンジ「ちょ、ちょっと待ってよ…」

レイ「……なに?」

シンジ「ぼ、僕は、またあれに乗らなきゃいけないの?」

レイ「それはそうでしょう?あなたは、パイロットだもの」

シンジ「で、でも!みてよこのアザ!しん、し、死んじゃうかもしれないんだよ!?」

レイ「……あなたは死なないわ。私が守るもの」

シンジ「で…でも!!」

レイ「……それでもいやなら。寝てれば。私が初号機に乗
る。サポートはキョンくんや、惣流さんがいるし」

レイ「いつまでも、寝てなさい。…さよなら」

ゴファッ
ゴファン

シンジ「……っ……!」



レイ「……なにしてるの」

キョン「ぎくっ」

古泉「びくっ」

レイ「盗み聞き?」

キョン「いやいや、そういう訳じゃあないんだがな」

古泉「やっぱりナマは違いますねぇ、と…」

レイ「呆れた…。キョンくん。早くプラグスーツに着替えたら?」

キョン「お、おう」

レイ「彼、使えるかわからないし」

キョン「……」

キョン「ちょっと、待ってろ古泉」

古泉「あ、ちょっと!」


ゴファッ
ゴファン

キョン「よう」

シンジ「……キョン」

キョン「さっきはすまんかった。無責任な事いって」

シンジ「別に……気にしてないよ」

キョン「……ミサトさんが悪いんじゃない」

シンジ「……っ!そんなこと!わかってるよ!」

キョン「…!」


シンジ「そんな…ミサトさんのせいじゃないことくらい、わかってるよ」

シンジ「けど、…キョン、言ったじゃない」

シンジ「ミサトさんを信じろって」

シンジ「そしたら…これじゃないか!!やっぱり僕は向いてないんだよ……向いてない……!」

キョン「……チッ」

シンジ「え?」

キョン「甘ったれんなよ」


キョン「お前みてると、なんかモヤモヤすんだよ」

キョン「なんで僕が、どうして僕が、僕は関係ないのに」

シンジ「……」

キョン「どっかの大馬鹿にそっくりなんだよ」

キョン「おい、シンジ」

キョン「今回の作戦。絶対成功する、信用してくれなくてもいい。けど、これはほんとのことだ」

キョン「絶対に勝てる。けど、それにはお前が参加するっていう条件がいるんだ」

キョン「のめるか?」

シンジ「……」

キョン「まぁゆっくりきめろ。じゃな」

キョン「……おい、シンジ」

シンジ「なんだよ」

キョン「…俺はお前の友達だ。信じろ」

シンジ「……」

キョン「…まぁ、あのあとだから無理もないな。すまん。じゃな」




古泉「なかなかなセリフをはけますねぇ」

キョン「ほっとけ」

長門「しんじろ(キリッ)」

古泉「友達だからな(キリッ)」

長門、古泉「「……」」ニヤニヤ

キョン「こいつら…」

古泉「ま、綾波さんの言葉でこころは少し開いているはずですし、あなたの判断は、今回ばかりは正しいですね」

キョン「ほっとけ」


ネルフ本部
更衣室

キョン「あーあっと。どうせでねーのに着せられるのか」ぎゅっきゅっ

アスカ「文句いってんじゃないわよ。もしものことがあったときのバックアップでしょ」しゅるしゅる

ハルヒ「もしもがないのが、一番なんだけどねぇ」しゅるっ

レイ「……」しゅるるっ

キョン「はぁ、まあ、何事もないだろ」

アスカ「あのバカ、来るかしら」

キョン「くるさ」

キョン「俺の友達だからな」プシューッ

アスカ「お熱いこってー」プシューッ

ハルヒ「きもちわるっ」プシューッ

キョン「おまえらな!」


ミサト「着替えおわったわね。現在、ヒトキューヨンマル。シンジくんは?」

キョン「まだ来てませんね…」

ミサト「……(変更も考えなきゃ…か)」

レイ「……」

古泉「呼んできましょうか?」

ミサト「いや、いいわ。休ませてあげて」

キョン「…チッ……」

長門「……くる」

ゴファッ!
ゴファン

「はぁっ……はぁっはぁつ……くっはぁっ…」

キョン「……!!」

思わず、ニヤけちまった。
やっときたか。バカ野郎。

シンジ「碇、シンジ……遅れました!」

ミサト「…!よし、ヤシマ作戦!開始するわよ!」


ミサト「準備いいわね」

シンジ「はい」

ミサト「シンジくん、貴方はその格好のまま、ただ前をみていてちょうだい。ポジトロンスナイパーライフルの充電がおわる前に、コックを引いて発射準備、あとは、中心にセンサーが重なったら…撃って」

シンジ「……はい!」

シンジの乗る初号機のモニターに、ぴこんと文字が浮かぶ。

シンジ「なんだよ、キョン」

キョン「気張れ」

シンジ「……うん!」


僕に出来るんだろうか。
出来るのか。…僕の両肩に世界は重すぎる。
けど、僕がパイロットなんだ。
死ぬのは怖い。
けど、みんながいる。
僕の、唯一の居場所なんだ。
エヴァに乗っていれば、キョンとも、みんなとも、仲良くできる。
…死にたくない。

だから、戦うんだ。

ミサト「中継器!全機、起動!」

「中継器、全機起動!」

第三新東京市
「本日9時、大規模な停電が発生します。なにとぞ、ご理解の事」

北海道富良野
「の事、よろしくお願いします」

京都 宇治
「本日、大規模な停電が発生します」


シンジ「綾波、頼んだよ」

レイ「……ええ」

シンジ「………」

刻一刻と時が迫る。
ポジトロンスナイパーライフルの存在に気づかれないように、戦略自衛隊の力を借り、ポジトロンスナイパーライフルの充電完了を待つ。

ミサト「全連結機、リンク!」

「全連結機、リンク!」

僕に……出来るのか。何度も問いかける。
その度に、
「気張れ」キョンの言葉と
「私が守るもの」綾波の言葉が頭をよぎる。

シンジ「……」

ミサト「連結機より中継機に電力供給!そのご、ポジトロンスナイパーライフルへの供給開始!」

「了解、連結機から、中継機へ、接続」

ブシュゥと嫌な音を立てながら、ばちばちと連結機の電力が中継される。

「連結機から中継機、完了。続いて、本体への供給、開始」




ぶすぶすと焼ける音。
即興で作ったのだから仕方がない。
くるくると形を変えながら戦略自衛隊へ攻撃を行う使徒。
もう少し…もう少しだ。

「供給、78%まで完了」

ミサト「コック、引け!」

ガコン。
ポジトロンスナイパーライフルのコックをがちゃりと引く。
これで、装塡完了だ。

「本体から、弾丸への中継、開始!」

キイイイイイと音を立てるライフル。
青光りするこれを、この全ての力を。
全人類の、叡智を。

「充電、完了!」

ゴフッと音がし、充電が完了する。

リツコ「誤差修正、自転軸、及び不確定変化の予測。完了。発射まで、5.4.3.」

シンジ「……」


リツコ「2.1」

ピピッ

シンジ「いっけええええええええええ!」

カチッ。



…ッパウッ!

物凄いスピードで青い光が使徒に伸びる。
それは一瞬だった。
呆気なく、それは終わった。

ゴゥッ……
ギイイイアイイイイイアイイイアアアアアア

後方にびきびきとトゲを出しながら叫ぶ使徒。
終わり、か。

キョン「バカ野郎!!まだだ!!」

シンジ「え……」


青葉「…!使徒内部に、高エネルギー反応!」

ミサト「なんですって!?」

長門「使徒は、健在」


バキッパキパキパキパキパキッ!
ガキンッ!

マヤ「使徒、円周部を加速しつつ、変形!!荷粒子砲来ます!!」

キュオオオン、キュオオオン、キュギュギュキュ…

ピギイイイィィィアアアアアアアアイイイイイ…

パウッ

ミサト「シンジくんっ!!!」


凄まじい火力なのは、いうまでも無かった。
使徒の放つ、恐らく最大級の攻撃。
山を溶かし、かなり大きな山ですら、すでに耐えきれなくなり、じりじりとこちらがわに盛り上がって来ている。
ぷわっ、と溶けた岩などが吹き上がり、山に大きな穴があいた。
それと同時に、使徒の粒子砲は、僕をめがけて飛んでくる。
死ぬかもしれない…。
死にたくない。


レイ「ぼさっとしてないで、再装填なさい!」

シンジ「え!?」

ガキィン!
綾波の零号機が、使徒の粒子砲を巨大な盾で弾く。
盾ですらもう溶けて来ている。

シンジ「綾波!」

レイ「早く!時間がないのよ!葛城三佐!」

ミサト「あ、…ポジトロンスナイパーライフル!再充填!」

「は、はっ!連結器、起動!」


はやく…はやく充電を……!
早くしないと、綾波が!

ピピピピピピ

センターマークが目まぐるしく動く。

リツコ「まだなの!?」

ミサト「るっさいわね!やってるわよ!」

「連結機から、中継機、中継機から、本体へ!」

はやく、はやく、はやく!

その時だった。

キョン「なんっ…だありゃ…あり得ねぇ!」

使徒は、粒子砲をうちながら、めきめきと形を変えてゆく。


キョン「長門!」

長門「あの変形は劇場版にもない。確実に、新モーション」

レイ「なにを訳のわからないことを…きゃっ!?」

ぴたりと光線が止んだ。

シンジ「ミサトさん!!」

ミサト「充電率、75%よ!コックひいて!」

コックをひく。
いそげいそげいそげいそげいそげいそげ!

キョン「ありゃ、なんなんだ…」

コアが中心にあり、剥き出しの状態。
コアの前面、つまり、エヴァ初号機がいる側に、頂点を向けた大きな三角錐。
コア後方に、細かい三角錐が環状にならんでいる。

キョン「あんなのみたことがないぞ…!?」


キュンキュン…キュイッキュキュッ…

後方の三角錐から、光線が前方の三角錐の頂点に向けて走る。
前方の三角錐にゆっくりと光が収束して行く。
光線の間隔がゆっくりと早くなるとともに、後方の三角錐が回転する。

ギュイイイイイイイ

長門「……聞こえる?」

キョン「おい、長門、ありゃまずくないか!?」

長門「確実に危険。綾波レイ単独では抑えきれない」


後方の三角錐からは光線が走り続け、回転も早くなる。
使徒は巨大な光の三角形となった。

まだかっ……
ぶすぶすと音がする。
焼ける音。

ミサト「まだなの!?」

青葉「接続回路に熱異常!!電力損失が半端じゃありません!!充電に支障!」

ミサト「なんで…!」


長門「あなた、もしくは誰かしらのサポートが必要」

キョン「だがっ!」

長門「あなたには盾がない。盾の用意が足りなかった。盾を持っているのは綾波レイの零号機のみ。あなたたちはATフィールドだけ。サポートは、事実上不可能」

キョン「くっそ……!」

長門「綾波レイを、信じるしかない」


キョンのコックピットに、ピコんと音がし、通信が入る。

キョン「…綾波?」

レイ「話。聞いてたわよ」

キョン「!!」

レイ「秘密の話をするなら、通信回線の閉じ方くらい覚えるのね」

キョン「……綾波」

レイ「……安心して。碇くんは、私が守る」

キョン「……!!」

レイ「それじゃ」

ひゅんと通信がとぎれる。

キョン(くっ……やっぱり生だと感動する……)


ミサト「まだなの!?」

青葉「電力損失を他部分から補充、のこり2.5で発射準備完了です!」

シンジ「はやくっ!!」

収束が止まる。
後方の三角錐は回転したまま、前方の三角錐は光り続ける。
今度は、前方の三角錐が凄まじい回転をする。


ピギイイイイィィィィィィウアアアアアアアア…

ドゴッ!

綾波まで、一瞬だった。
綾波の盾が一気に溶解を始める。
物凄い光とともに。

レイ「くっ……ああっ!!」

シンジ「綾波っ!!」

リツコ「照準合わせて!!」

はやく、はやく!!


センターがゆっくりと使徒を捉える。
誤差を修正しながら。

ピピッ

センターのポイントのズレが修正され、中央部、使徒のコアに合わさる。

シンジ「いっっっけえええええええええええええ!!!」

カチッ

ヂヂヂと焼ける音の後、先端から閃光がうちだされる。

キョン(たのむっ…!)

ハルヒ(……!)

アスカ「おねがいっ…!」

綾波の盾を、ポジトロンスナイパーライフルの弾がうしろから貫く。
バチンと大きな音のあと、使徒の攻撃をぐぐっと押し返す。
行け!
強い思いで、トリガーを思い切り押す。
意味は無い。
ただ、強く押していた。


シンジ「いけっ!いけっ!いけっ!いけっ!いっけぇぇっっ!!!」

僕が叫ぶと、使徒の攻撃がバチンと弾け飛び、ライフルの光線が使徒に向けて一直線に走る。

ゴフッ

鈍い音が、光線が使徒に届いた時に響いた。

ギッ…ピギイイイイイイイイイイイッ!!!

ぶしゅぶしゅと血?のようなモノが後ろの建物に飛び散る。

ひゅ……ご……ごんっ……

その後、使徒がゆっくりと地面に落ちた。

シンジ「……」

キョン「や、やっ」

ハルヒ「やったああああああっ!!」


シンジ「…はっ……綾波!!」

零号機のもとへ走って近寄る。
盾でも抑えきれなかったのか、零号機の体もかなり溶解していた。

シンジ「綾波!」

零号機の背面のエントリープラグ固定板を外し、エントリープラグを取り出す。
このままじゃ、綾波が……


キョン「たのむ!!長門、零号機のとこの回線こっちにまわしてくれ!!」

長門「無理」

キョン「なんで!!」

長門「私達でみる。貴方はおあずけ」ニヤニヤ

古泉「おやおや」ニヤニヤ

キョン「こんっちくしょおおおおお!」


綾波!綾波!
エントリープラグの緊急開放用のハンドルを持ち上げる。

シンジ「あっ……つ!!ぐ、っくうう!」

熱い。けど、綾波はこんなもんじゃないんだ。
ぐぐぐとゆっくりとだが、ハンドルを回し、エントリープラグを開ける。
途端に中の熱気がむわっと僕をおそう。

シンジ「綾波!!綾波!!」

レイ「……う……」


シンジ「……はぁあっ……生きて……よかった……」

レイ「……碇……くん」

シンジ「…でてく際に、……さよなら、なんて…言うなよ…そんな、そんな…悲しいこと……いうなよ……」

ぽたっ、ぽたたっ

僕の涙が、綾波の足に落ちて伝う。

レイ「……ごめんなさい。こういうとき、どういう顔をすればいいかわからないの」

そういう綾波の哀しそうな顔を見て、僕は、

シンジ「……笑えば……いいと思うよ」

そう言った。
すこし、綾波はびっくりしたような顔をして、その後、ぎこちないけれど、ちゃんとえがおを見せてくれた。


古泉「……」ぽろぽろ

長門「……ぐすっ」

キョン「くっそおおおおおおおおおお!」


その後は、ミサトさんに褒められて、綾波は病院に。
アスカはなんかぷんすかしてて、涼宮さんは僕を褒めちぎった。
古泉くんと長門さんは、僕によくやったと泣きながら言ってくれた。
嬉しかった。
キョンは、なんかよくわからないけど、悔しそうに泣きながら、僕の肩をぽんぽんと叩いてよく勝ったな、と言ってくれた。
そんなに活躍できなかったのが悔しかったんだろうか。



キョン「覚えてろよ、お前ら…」

古泉「……だって長門さんが!!」

長門「!?私のせい!?」

キョン「お前らな!!」


part8に続く
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。